発掘ニュース

No.124

2016.10.07

バラエティー

「てなもんや三度笠」生みの親から『ひるプレ』や『テレビファ』!

「あれっ!?」と思われた方もいると思います。そうです、「てなもんや三度笠」は1962(昭和37)年から6年間にわたって放送された超人気コメディー番組ですが、放送したのはNHKでなく民放!その生みの親からNHKの番組が…?

その方は…

澤田隆治さん、現在83歳です。澤田さんは元ABC朝日放送のディレクター、そしてプロデューサー。藤田まことさんでお馴染みの「てなもんや三度笠」をはじめとしたコメディー番組や「新婚さんいらっしゃい!」などバラエティー番組の立ち上げに関わり、その後は他局の「花王名人劇場」や「ズームイン!!朝!」といった人気番組の生みの親ともなりました。

現在は芸能プロダクションの社長をつとめる澤田さんの事務所を訪ねると…

ズラリと並んだビデオテープの数々!その数、ざっと千本以上!

民放の懐かしの番組とともに、多くのスペースを取っているのが…

なんとNHKの番組です!!ざっと見た感じでは、3分の2がNHKの番組!

達筆で書かれたタイトルには『ひるプレ』の文字が!!しかもラベルの赤文字“NHK”はハンコを作って押してあります。それだけたくさんのNHK番組を録画・保存されていたのですね!

澤田さんに提供いただいた番組のいくつかをご紹介しましょう。まずは写真にも写っている『ひるのプレゼント』。

これは1983年放送の「熱球!くろうと寄席」。プロ野球をテーマに三遊亭小遊三さんや元プロ野球選手のみなさんが爆笑トークを繰り広げます。皆さん、とにかく若いです!

『ひるのプレゼント』は生放送だったこともありNHKに保存されている本数が少ないのですが、澤田さんから50本余りを提供いただきました!


「やすし・きよしの連続テレビ漫才」(1983年放送)

澤田さんが残していた『ひるプレ』のタイトルを見てみると…
「コントにコント」
「上方繁盛寄席」
「名古屋で笑おう」
「クイズ落語百科」
「お笑い脱線一座」…

というように“笑い”をテーマにした回ばかり。

そして『ひるプレ』と同じように貴重な発掘が『ばらえてい テレビファソラシド』

こちらも生放送だったために、ほとんどアーカイブスには残っていませんでした。澤田さんから20本あまりの提供があり、NHKでの保存は現在50本ほど。全放送回の半分に近づこうとしています。

Q 澤田さんにとって映像を保存しておくという事はどんな意味合いが?
「勉強の為です。映像を残しておくべきだと若い頃から感じていましたね。我々のテレビマンとしての時代は全て生の時代でしたから、当然オンタイムで自分では見られなかったんですよ。特に民放はスポンサー付きの公開放送が主流でしたから。
自分で担当した番組は全部録画し、更にNHKを含め“ため”になると思った番組も同時に録画しておいたんです。」

Q 澤田さんがテレビマンとして活躍していた当時、NHKの番組とは?
「NHKが手本でしたね。和田勉さんが凄い勢いでテレビを変えていた時代でもありました。カメラサイズからカット割に至るまで全てNHKが見本のような存在でした。その中でも和田勉さんは凄かったですね。過去に1度だけ対談させてもらった事もあるんですよ。
当時は技の盗み合いのような時代でしたね。」

Q 提供いただいた番組の一つ『テレビファソラシド』の良さは?
「とにかくシャレていたね。NHKはリハーサルに充分な時間をかけて綿密に仕上げていくでしょう。その一方で民放は生のハプニング性を求めるから、あまりそこに時間はかけない。その中にあって『テレビファ』はリハーサルを重ねていく中でハプニング性を出していたのかも知れない。『夢であいましょう』もそうだけど台本がきちんと整理されていてとても生でやっていたとは思えないくらい完成度が高かった。我々はNHKを見て、ついていくしか無かったんですよ。」

Q 今のテレビ番組に欠けている点は?
「タレントに頼り過ぎているね。演出が無い。キャスティングが演出と化してしまっているね。」

Q NHKに足りない部分は?
「高齢者層向けの番組作りから若者向けにシフト転換した当初は“慣れない服を着ているような”違和感を感じたけど、最近のコント番組のLIFEや爆笑問題の番組などを見るとようやくNHKらしさが増してきたかなと感じますね。特に『ブラタモリ』はいいね。タモリが自由にやっているように見せているのが面白い。けど歩きながらの俯瞰は必要ないな。これは個人的な趣味だけどね。」

NHKの番組を“ライバル”として“手本”として見続け、民放の人気番組の数々を作り続けてきたという澤田さんだからこそ言える『お褒めの言葉』と『厳しい言葉』。多くの番組を提供いただきありがとうございます!そしてこれからも暖かく厳しい目でNHKの番組を見続けてください。

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