発掘ニュース

No.121

2016.09.16

ドラマ

ついに朝ドラ『風見鶏』完全収集!ヒロイン新井晴みさん

大変お待たせいたしました!発掘ニュースNo.37で“『風見鶏』あと1本”とお伝えしてから2年近く経ってしまいましたが、ついにコンプリート(完全収集)の報告ができることになりました!

最後の1本の提供者はこの方!

ヒロインを演じた新井晴みさん(当時は新井春美さん)です!
第153回、そして冒頭が欠けていた154回(最終回)も提供いただきました。

『風見鶏』は朝の連続テレビ小説の第20作として1977(昭和52)年10月から半年間放送。タイトルの“風見鶏”は常に風上に立ち向かうことから付けられたといいます。

和歌山県・太地で鯨のもり打ちの娘として生まれたヒロインが、神戸でドイツ人のパン職人と結婚。戦争で夫と生き別れ、本格的なパン作りを営む中、外国人から“われらの母”と慕われるようになる女性の一代記です。

主人公・松浦ぎんを演じたのが新井晴みさん。
提供していただいた第153回を一緒にご覧いただきました!

ドイツから訪ねて来た孫のアウグスト(蟇目良さん)が、ぎんのパンを食べ自分が作ったパンより美味しいことに衝撃。おばあちゃんに負けないパンを作って見せようとするのがこの第153回です。

最終回へいざなう大切な回がこれでそろいました!

Q どなたが録画を?
「脚本の杉山義法さんと私の母がそれぞれ録画をしていました。杉山さんと初めてお会いした時、“セリフは少なめにしませんよ”と檄を飛ばされ、ヒロインを演ずる覚悟を決めました。杉山さんとのお付き合いは公私に渡ってずっと続きました。今回提供した2本には、杉山さんとの思い出がいっぱい詰まっています。」

第1回のみが元々NHKに保存されていた『風見鶏』、そのほとんどの回の録画ビデオを提供して下さったのが脚本を担当した杉山義法さんでした。新井さんのお母様もほぼ全ての回を録画していたそうです。

さて、このドラマの特徴の一つは、ヒロインが10代から70代になるまでの幅広い年齢を、新井さん一人で演じたことです。まず10代の映像を…

初々しいですね!ちなみに放送当時、ご自身は24歳でした。

「10代のぎんは、7つの海を渡る船乗りになりたいと憧れる役です。『とと姉ちゃん』で再び有名になった、平塚らいてふの“元始、女性は太陽であった”というセリフを私も言いました。10代はすんなりと演じられました。」

「実年齢の2倍になる50代を演じるにあたっては、その年齢のすてきな女優さんをイメージしました。当時でいえば、池内淳子さんです。
70代を演じる時は、実の祖母のしぐさを思い浮かべました。例えば、立ち上がる時の“よいしょ”です。」

「長い時間をかけて人間の一代記を演じられるのは、今も昔もNHKの朝ドラくらいではないでしょうか。役者冥利に尽きます。」

もう一つ、新井さんにとって思い出深いのが、初めてのひとり暮らしを大阪で体験したことだそうです。『風見鶏』はNHK大阪放送局制作のドラマでした。

「ワンルームの部屋で大阪城が見えました。桜むつ子さん、大木実さんがよく遊びに来てくれて合宿みたいな生活でした。お二人とも亡くなりましたが、とても温かい思い出です。」

「スタッフから“倒れないように食べろ、食べろ”と言われたことが印象に残っています。大阪には美味しいものがたくさんありますが、NHK大阪局の食堂できつねうどんをよく食べました。」

現在は女優だけでなく画家など幅広く活躍されている新井晴みさん、近況は…?

「シナリオ朗読で全国の中学校を駆け回っています。第二次世界大戦時、奇跡的に生き延びた『エリカ』というユダヤ人少女の物語です。いまの子どもたちは自尊心が薄いと感じています。子どもたちに“生まれてきてくれてありがとう”と伝えたいのです。」

新井さん、最後の1本をご提供いただき本当にありがとうございました!
全話そろった朝の連続テレビ小説『風見鶏』、今後の展開が楽しみです。

※『風見鶏』は総集編を全国の番組公開ライブラリーで無料でご覧いただけます。どうぞお楽しみください!

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