発掘ニュース

No.108

2016.06.03

ドラマ

柳生博さん 愛する家族の思い出ビデオテープ

1977(昭和52)年に放送した朝の連続テレビ小説「いちばん星」。

昭和の流行歌手、佐藤千夜子さんの歌一筋に生きた半生を描いた作品です。そのドラマの中で、詩人・野口雨情を演じたこの方…

柳生博さんが今回の発掘提供者です!「ひるまえほっと」(関東地域のみの放送)の『発掘!お宝番組』にご出演いただき語ってもらいました。

柳生さんは1970年代の後半に家族そろって山梨県の八ヶ岳の麓に移り住み、現在も自然の中で暮らしを続けています。その様子をリポートしたNHKのニュース番組の映像も大切にお持ちでした。

日本野鳥の会の会長も務める柳生さん、こちらの写真は放送直前の一枚!

番組セットに鳥の絵を見つけた柳生さん、ご自分のジャケットにも「ホラッ!」と…可愛いツバメが!

スタジオトークの始まりは「いちばん星」の思い出。茨城県出身の柳生博さん、同じ茨木県出身の野口雨情を演じたことを「ラッキーすぎるくらいイイ役」。“お国なまり”を思う存分出せた楽しさとともに反響の大きさを話してくれました。

柳生さんからの提供ビデオ、続いてご覧いただいたのは1977年放送の「お笑いオンステージ」。10年間にわたって放送された人気番組で、柳生さんにとっては、まだ幼かった子供たちとの初共演となった番組です。

親子で出演したのは『減点ファミリー』のコーナー。三波伸介さんが描くそっくりの似顔絵、そして笑いあり涙ありのアットホームなスタジオは、まさに家族で楽しめる番組です!

コーナーの最後は子供からの作文、長男・真吾さんです。

「僕のパパは仕事でいつもいない。一週間のうち時々しか会えないこともある。いるときはいつも『遊ぼう』と僕は言う。だけどママは『疲れているから後で遊びなさい』というので、家にいてもなかなか遊べない…。」

俳優はプライベートを露出するものではないと考えていた柳生さん。しかし多忙を極め家族との時間が持てない中、思いきって子供たちと一緒に出演したといいます。

「あれは本当に自分の一大決心で…あの時代の俳優というのは、カメラに向かってフリートークをしたりというのは良くないと皆に言われていたわけ。ただ、あの時は三波伸介さんという大変尊敬する方に『お前も出てこいよ』といわれて…。」

「ちょうどそのころ僕は年間何百本というドラマをこなしていて家に帰れなかったんです。そういう時に、家が溶けていく、壊れていくっていう気持ちがものすごくあってね…それで伸介さんの誘いに乗ったんです。」
島津アナ「本当に家族の絆を取り戻す番組だったんですね。」
「まったくそうですね…番組をやって一大決心をして。役者としてろくでもなくてもイイや。とにかく家族で“野良仕事”をやろうと。」

その後、八ヶ岳への移住を決断。自然に囲まれた生活は40年近くになります。
しかし長男の真吾さんが去年5月、ガンで他界…47歳の若さでした。

「ちょうど1年たちました。甲府の病院にお世話になっていて…最後は咽頭ガンでしたからしゃべれなくなったんです。必ずノートを持っていて『親父、カタクリまだ咲いてる?』とかね。『やあ悪い、散っちゃったよ』…散ってしまうと、ゴールデンウイークにカタクリを楽しみにたくさんの人がおいでになるのに『あー悔しいなあ、ちくしょう!』とか、そういうのをやり取りしていました。

5月の初めというのは、まさに半年くらい緑の無い雑木林ですから、そこに突然、林床にずーっとカタクリが咲いてくるんです。僕がカタクリって言うと、『親父違う“カタクリさま”だよ、あれは』って。」

植物をこよなく愛した真吾さんの形見として、柳生さんが持っているビデオテープの一つ。

教育テレビで1967年から放送している「趣味の園芸」。真吾さんは4代目の司会者として2000年から8年間担当しました。その初回の放送です。

「昔から植物が大好きで、いつも幼稚園のころから何かしら植物は育てていました。いま八ヶ岳に住んでいますけど、その八ヶ岳で私なりの園芸を実践しています。」

真吾さんは初回の放送の前日まで、お父さんに番組を担当することを話していなかったそうで、柳生さんはビックリしたそうです。

「真吾って教わり上手なんですよね。あの男はツイていましたよね。色んなすごい先生にどこへでも行って教わりに行くみたいなね。」

最後まで笑顔を絶やさずお話ししてくださった柳生さん、ありがとうございました。
この日は、直後のお便りをご紹介するコーナーにも柳生さんに参加していただきました!

視聴者の方からお寄せいただいたシジュウカラの餌やりの写真をお見せすると…
「まさに今この季節なんです!すばらしい、シジュウカラは東京でも色んなところにいますから。シジュウカラの巣箱に穴をあける時は28ミリ。これだけ覚えておけばいい。それ以上になるとスズメとか大きいのが入ってきちゃう。可愛いな~」
…とここまで話したところで番組の残り時間わずか!

島津アナ「明日の予告(時間内に)入りますか…?」
「予告入らないならボクにちょうだい。…」

「ここ(巣箱)の前にね、お皿を置いて水を入れておいてください。すると必ず朝、水浴びしますから。」と言って手をパタパタパタ…そのまま番組終了。さすがは日本野鳥の会・会長の柳生さんです!

八ヶ岳は夏に向けて緑が萌える季節、次は是非、雑木林の中でお話を聞きたいですね!

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