発掘ニュース

No.094

2016.02.19

ドキュメンタリー/教養

「スポットライト」最終回発掘!幻のノートも!

教科書では語られない出来事に“スポット”を当てたユニークな歴史番組『スポットライト』。発掘ニュースNo.66でも取り上げましたが、その最終回が発掘されました!

『スポットライト』は1972(昭和47)年から6年間、208回にわたって放送しましたが、NHKに数本しか保存がない幻の番組の一つです。

最終回のタイトルは「よみがえった無尽灯(むじんとう)」。
“からくり儀右衛門”としても知られる発明家の田中久重が考え出した無尽灯と呼ばれるランプ、いわばライトスポットを当てています。まさに『スポットライト』の最終回にふさわしいテーマですね!
今回ビデオを提供して下さったのは、写真左側・笹尾さんのご家族です。貴重な映像をありがとうございました!

さて、この最終回、テーマ以上に注目だったのはエンディングです!

番組残り3分半ほどのところで、この回が最終回であることを告げた鈴木健二アナウンサーは1冊の分厚いノートを取り出しました。

『NHK スポットライト』と書かれたノート、持ち主はこちら!

メガネをかけたこの中学生、なんと『スポットライト』をほぼ全回、内容をノートに書きとめていたというのです。この少年の声のメッセージで番組が幕を閉じます!

「スポットライトのスタッフの皆さんへ。
6年続いたこの番組が3月で終わりになると聞き初めてお便りします。僕はいま中学2年。このスポットライトが始まった時からほとんど毎回この番組を見ています。この番組が始まった時、僕は小学校3年生でした。

…その頃の僕はさまざまな知識の吸収に向かって心が動き出していたので、スポットライトはそのためには恰好の内容であったわけなのです。僕なりに自分の書いたこのノートを見返してみるとずいぶん自分も変わったなあと思います。6年間続けてきた知識の日記。このノートの束に背をつける6年来の念願もやっとかないます。少年時代のよき思い出としてこのノートは大切に保管していきたいと思います。ご苦労さまでした。」

スゴイ!6年間番組を見続けただけでなくノートまで!
番組発掘プロジェクトでは、この少年に注目!行方を取材しました。すると大阪にお住まいであることがわかりました!さっそくプロジェクトのスタッフは大阪へ…。

かつての“少年”の名前は福島祥行(よしゆき)さん、現在52歳です。最終回に出演した時は中学2年生、今は大阪の大学でフランス言語学やコミュニケーション研究などを教えていらっしゃいます。

福島さんに少年時代どんな番組を見ていたのかお聞きしたところ…
子供らしく「仮面ライダー」!そしてNHKではドラマ「銀座わが町」(1973年放送)がお気に入りで、郷ひろみさんのエンディングテーマが楽しみだったとか。大河ドラマでは「国盗り物語」、「勝海舟」、「風と雲と虹と」、「花神」などを夢中になって見ていて、将来はNHKのドラマを作るディレクターになりたいと思っていたと語ってくださいました。

さて、『スポットライト』を記録したノートは今もあるのでしょうか?そして何故「スポットライト」を見始めたのでしょうか??

ありました!福島さん、ノートを大切に保管していました。何冊ものノートを重ね合わせて作った手作りの分厚いノート、確かに“背表紙”も!中身を見せていただくと…

なんと789ページ!ノートをつけ始めた理由は、字を書いたり絵を書いたりするのが好きだったからとのことです。

番組を見はじめたきっかけは、第一回の『おかしな自転車』を当時の番組紹介で見たことだそうです。さらにノートを拝見すると…。

番組で作ったと思われる初代司会者・フランキー堺さんの自転車“フランキー号”が子どもらしいタッチで描かれています。

続いてはこちら。ヒバゴンが描かれています!覚えていますか?!発掘ニュースNo.25で取り上げた「お国自慢にしひがし」でも登場する謎の生物です。「スポットライト」は本当に色々なテーマにスポットを当てていたのですね!

そして、最終回…。

ノートには、鈴木健二アナウンサーの最後のコメントが書き留められていました。

歴代司会者

福島さんに、発掘された最終回を見ていただきました!

番組とは、実に40年ぶりの再会です!ご感想は?

「スタジオに出てくる司会者やゲストのしゃべり方が丁寧だということに改めてびっくりしました。大学でコミュニケーション研究を専門にしていますが、この40年で日本人のしゃべり方が大きく変わったなと感じます。いまもこうした語り口なのは黒柳徹子さんくらいではないでしょうか。この番組からは人間のものの見方・考え方を学んだ気がします。」

今回ご紹介した「スポットライト」は、最終回を含めて発掘した数本を、全国の番組公開ライブラリーでご覧いただけるよう準備を進めています。お楽しみに!

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