発掘ニュース

No.078

2015.10.23

情報番組

幻の手塚治虫アニメ“復活版”を公開!

番組発掘プロジェクトがスタートして2年半、およそ4000本の番組が発掘されました。 その中から、選りすぐりの番組や発掘エピソードをご紹介した金曜eye「幻の名作 発掘大作戦!」

たくさんの反響をいただきましたが、皆さん一番のご希望は…
“発掘された番組をもっと見たい!”
なかでも、この人の番組です!

日本を代表する漫画家・手塚治虫さん。今回発掘されたのは1969(昭和44)年に放送された、アニメと実写を合成した実験的な作品「ワンダーくんの初夢宇宙旅行」です。

本編は20分の番組でしたが、発掘されたのは映像フィルムだけ…。
音声が無かったのです!

そこで今回の番組では音声を復元!!

写真はご協力いただいた当時の関係者の皆さんです。左から、ワンダーくんの声を担当した声優の三輪勝恵さん、監督の杉山卓さん、フィルムを提供してくれた下崎闊さん。

そしてナビゲーターを務めた清水富美加さんも、主人公の男の子・太郎の声を担当しました。

その結果、10分間あまりの音声付き「ワンダーくん」の制作に成功!
しかし番組の中で紹介できたのは、そのうち4分あまり。ぜひ残りの部分も!というご要望にお応えしようということになりました。

では、お待たせしました!
「ワンダーくんの初夢宇宙旅行2015年“金曜eye”復元版」
ご覧ください!

46年ぶりの復活、いかがでしたか?少し解説をいたしましょう!

まずこちら…

少年がイス型宇宙船に乗ってまず向かったのは月。そこにはデパートや野球場が!

注目はプレーする選手たちの動きです!
フワリ、フワリとジャンプしながら走る姿…
“月だから重力が地球よりも小さいから普通のことでしょ!”と、思うのですが、実はこのアニメが制作されたのは、アポロが月面着陸に成功する半年以上前のことです!!

テレビで月面を歩く姿を見たことがある私たちには普通のことでも、当時の人たちには未知の世界です。つまり手塚治虫さんは、科学的知識を元に“想像力”で月のシーンを描き上げたのです!

どうです?驚きですよね!!
そしてラストシーン、“宇宙の果て”にたどり着き見えたのは…

鏡のように映った自分の姿でした。

ワンダーくんのラストコメントは…
「最近、この宇宙は風船が膨らむようにどんどん膨らんでいるということが分かってきた。だから今のところ宇宙には果てが無いといってもいいだろう。そして人間の力では、永久に宇宙の先がどうなっているか確かめることは出来ないに違いない。」

収録を終えた清水富美加さんは。

「こっちに想像させてくれる感じが、ワクワクしてくるので…私は“みんなもドンドン想像してご覧”というようなものかなと思いました。」


監督・杉山卓さん

「手塚先生はいつも、『センスオブワンダー』ということを大切になさっていた。驚きの心を持ってものを見る。そういわれてみればね、宇宙だけじゃなく驚くことはいっぱいありますよね、世の中に。それの象徴みたいなものじゃないですか、この作品は。」

スタジオゲストの石坂浩二さん、ロバート キャンベルさん、渡辺満里奈さんは…

渡辺さん「お正月に放送する子供向けのアニメとは思えない!」

キャンベルさん「ワンダーくんて、何なんでしょうね?」

石坂さん「電子頭脳であり“好奇心”でしょうね、人間の。あの子の好奇心なんですよね。」

渡辺さん「最後に、“宇宙の果てっていうのはおそらく人間にはずっと分からないんだよ”って投げ掛けちゃうのが、ちょっとすごいなって…アトムを描いた人だったら、“きっと未来には分かるかもしれないよ”って言いそうな。すごく考えさせられる…」

ここまで読んできたあなた、もう一度「ワンダーくん」を見てみると何か違った発見があるかもしれませんよ!

さて、このほか『幻の名作 発掘大作戦!』に登場した番組に関して
“発掘された番組の一部だけでなく全部を見てみたい!”
という方、いくつかの番組を「番組公開ライブラリー」で無料でご覧いただけます!

◆大河ドラマ『花神』<1977年放送>

番組でご紹介した第24回「奇兵隊」をはじめ、第19回「上海みやげ」、第39回「周防の人々」のあわせて3話分をご覧いただけます。(総集編全5回も公開しています。)

◆ドラマ『遺族』<1961年放送>

映画監督の山田洋次さんが初めてテレビドラマを手掛けた作品です。太平洋戦争末期の特攻隊がテーマ。ドラマの中に、放送当時の若者たちや特攻隊員の遺族のインタビューを織り交ぜたドキュメンタリードラマです。

このほか『お笑いオンステージ』は、番組で紹介した回ではありませんが20本余りがお楽しみいただけます!

番組公開ライブラリーの情報に関してはこちら。埼玉・川口市にあるNHKアーカイブスをはじめ皆さんのお近くのNHK各放送局にご覧いただける端末が設置されています。もちろん無料です!

なお『幻の名作 発掘大作戦!』を再放送してほしい!というご要望も多数いただいております。現在、全国放送での再放送を検討中です。情報はこのホームページでお伝えします。お楽しみに!

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