発掘ニュース

No.056

2015.05.15

ドラマ

女優・山本陽子さんから昭和46年放送「歳月」発掘!

まずはこちらの3つの映像をご覧ください!

実は3つとも1971(昭和46)年放送のドラマ「歳月」の一場面で、当時29歳の山本陽子さんが演じている八洲子(やすこ)の映像です。山本さんご自身から提供いただいたビデオテープでの発掘です!

「歳月」は90分ドラマ。3部構成で、山本さんはそれぞれ23歳、29歳、そして40代の主人公を演じ分けています。朝の連続テレビ小説でヒロインが女性の生涯を演じることはよくありますが、単発のドラマの中で、しかも20代から40代まで演じ分けるのは珍しいですね!

第1部

最初に登場する八洲子は23歳。この作品で山本さんの清純なイメージが決定づけられたというのもうなずけます!

年下の東大生を純粋に愛し子どもを宿しますが、結婚はまだできないと断られ自殺を図ります。未遂に終わり自宅に戻ってきた八洲子をめぐり、2人の兄や両親、友人が激論を交わします。ドラマは全て、この実家の居間や応接間での会話で進行します。ちなみに八洲子の相手の男が気になりますが、画面には現われてきません。

第2部

第2部は当時の山本さんの実年齢に近い設定、浴衣姿が美しいです!

自殺未遂から6年後、厳格だった父は穏やかになり、八洲子が産んだ女の子はまもなく小学生。
籍だけは入れたものの一度も一緒に暮らしたことが無い名義だけの夫婦…。ところが、その夫が突然訪ねてきてまた騒動に。どうみてもヒドイ男ですが八洲子はまだ待っている様子…

八洲子の兄の言葉がこのドラマのテーマを言い表しています。
「世の中が変わっていくのを見るのはなかなか楽しみだ…親父も変わった、お袋も変わった、紳二も礼子も…お前も変わりつつある。すべてが徐々に動いていくそのありさまは歴史を読む以上にコクがあって面白い。俺はなるべく自分をひと所に置いて、それを眺めていたいんだ。」

第3部

月日はたち40代になった八洲子。『歳月』は容姿だけでなく心も変化させます。明るく強くなった姿を見るとホッとします。

娘はティーンエイジャーに。八洲子の兄たちもそれぞれ年を重ね、父親の七回忌で集まったところに、またしてもあの男が…(結局、八洲子の夫役の男は最後まで画面には出てきません)

2人きりで会ったあと、八洲子は最後に語ります。
「あの人の熱情は目に見えるだけで心に触れてこないの…どこが変わってるともいえないんだけれど、私が待っていたのはこの人じゃない。あの人だっていう気がしてしょうがないの…何もかも変わっていくのね、何もかも…でも。」

90分の間に徐々に変わっていく心、変わらない心を演じきっています。

その山本陽子さんは去年、芸能生活50周年を迎えられました。

Q 「歳月」というドラマにはどんな思い出が?
「20代から40代までを一度に演じた作品でした。それだけにメイクにも時間が掛かるわ、衣装の着替えにも時間が掛るわ、リハーサルは徹夜状態でやっていたので苦労した作品でもありました。

とにかく1シーンが長いのでNGを出したら最初から撮り直し!しかも数分間に及ぶシーンばかりだったので、とにかくたいへんでした。1発でOKが出た時は共演者全員で拍手喝采していました。」

Q 今回ご提供頂いたビデオテープ、どういういきさつで残っていたのでしょうか?
「『歳月』は大阪局の制作でした。放送は44年前になりますが、演出を担当された八木雅次さんと20年程前にお目に掛かる機会がありました。「歳月」の想い出に話が及び、当時残っていたフィルムをVHSにコピーして送って下さったんです。以来、宝物としてずっと傍に置いてあったというわけなんです。」

想い出が詰まった作品、提供いただき本当にありがとうございました!
デビューから50年の“歳月”を越えてますます輝いている山本さん、応援しています!

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