発掘ニュース

No.055

2015.05.01

ドラマ

脚本家・山田太一さん、発掘を語る「過去を大切に!」

これまで何度かご紹介している「ひるまえほっと」(関東地域のみの放送)の発掘コーナーが、4月から毎月1回のレギュラーコーナーになりました!

司会が山本哲也アナウンサーにかわり、さらに思い出をたくさん持っている世代に…(笑)!

新年度、最初のゲストはこの方!

脚本家の山田太一さんです。1960年代から、NHKをはじめ数多くのドラマの脚本を手掛けていらっしゃいます。

なかでも…

警備会社を舞台に、“特攻隊”の生き残りである主人公(鶴田浩二さん)と若者たちの関わりを描いたドラマ「男たちの旅路」は、『山田太一シリーズ』と、脚本家の名前を冠にしたNHK最初の試みでした。

山本アナ「私ちょうど高校生だったんですが…、いきなり最初に『山田太一シリーズ』って出てくるんですよね。いったいどんなシリーズなんだろうと思いました。ご自身はどうだったんですか?」

山田さん「『このドラマ』って紹介される時に脚本は誰が書いたかなんてことは、ほとんどテレビでも新聞でも取り上げられていないことが多かった。しかし良く考えてみるとゼロから立ち上げているのは脚本家なわけです。
それで、その頃の倉本聰さんとか早坂暁さんとか向田邦子さんと、どうして脚本家の名前は取り上げてくれないんだろうと“ひがんでた”んですね」

ここでスタジオは大爆笑!山田さんは続けます。
「当時NHKのドラマ部長だった川口幹夫さん(のちにNHK会長)が、脚本家が作ってるんだから脚本家(の名前)を頭にかぶせるようなシリーズを作ろうじゃないかと。…とてもやりがいがありました。自分がゼロから作ったということが証明されるような番組ですから。」

さて!その山田太一さんに今回提供いただいた番組のビデオテープはこちら!

1972(昭和57)年から17年にわたって、毎日、夜に放送されていた『銀河テレビ小説』。タイトルの映像とともに流れる音楽を覚えている皆さんも多いことと思います。山田さんも「これですよね~!!」と一言。

1978年に放送された銀河テレビ小説「ふるさとシリーズ 幸福駅周辺」です。山田さんに提供いただいたことで、全10回がそろいました!

幸福駅ブームを覚えていますか?北海道帯広市にあった「幸福駅」行きの切符を手に入れようとたくさんの観光客が訪れた、その駅が舞台です。

駅長を務める父親・佐野浅夫さんと娘・木村理恵さんは二人暮らし。東京に出て歌手になることを夢見る娘、地元で平凡に生きていくことが一番の幸せだと考え反対する父。

さらに、その娘と結婚したいと考える地元の若者たち。それぞれの思いが交錯します。

「当時の“幸福”のあり方の一つとして、地方にいては本当に生きていくことにならないんじゃないかという圧迫が若い人にあって、東京に対する“幻想”が結構強かった。東京に行けば何とかなるという。」

「ありました。」と真剣な表情で若き日を振り返る山本アナ。山口県から東京に出てきた山本アナにとって共感するところが多かったようです。

この「幸福駅周辺」のほかにも『ふるさとシリーズ』の作品2つが、山田太一さん提供のビデオテープから発掘されました!

1976(昭和51)年放送の「夏の故郷」。お盆に顔を合わせた、農家の後継ぎと、故郷を離れて東京で働く若者たち。結婚相手のいない地方の問題や、東京で直面した夢と現実の違いなど、それぞれが抱える悩みを浮き彫りにした作品です。

そして1977(昭和52)年放送の「夏草の輝き」。夏の高校野球で地方大会決勝に進んだある野球部。予想外の快挙に盛り上がる一方、甲子園の出場に備え資金集めに頭を悩ませる高校教師の姿が描かれています。

スタジオには、これら『ふるさとシリーズ』の台本が…

貴重なビデオテープで映像を提供して下さった山田太一さんですが、台本はというと…
「僕のところには無いんです…ご覧になると分かるんですが、一冊が結構厚いんです。50年も脚本家を続けてますと、これをとっておくだけで家一軒なくてはいけないくらいになっちゃうので…結局、処分せざるを得ないんです。」

そんな山田さん、日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアムという組織の代表を務めていて、“脚本の保存”に力を入れています。

「テレビが始まってから1970年代の中間くらいまで、ほとんど映像が無い。脚本しか、そのころ何をやっていたのか証拠が無い。とても脚本が大事だということなんです。」

山本アナ「番組を発掘して残して、それを一般の人たち皆に見てもらう。これはどういう意味があると思われますか?」

山田さん「僕ら人間は現在と未来だけで生きているわけじゃありません。大半は過去の恵みで生きているわけです。過去に関心が無いというのは病んでいると思うんです。過去の方が現在よりもたくさんの人がいるわけです。素晴らしい人もいれば、素晴らしくない人もたくさんいる。」
山本アナ「過去に学べと!」
山田さん「そうそう、そうですね。」

山田太一さん、ありがとうございました! 番組発掘プロジェクトも“過去”を大切に発掘を進めていきます!

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