発掘ニュース

No.053

2015.04.17

ドラマ

奇才!和田勉さんの白黒ドラマの数々が!

その独特な風貌でもおなじみだった演出家・和田勉さん。数々の名作、話題作のドラマを世に送り出しました。

なかでも初期に手がけた作品はNHKに保存が無く“幻のドラマ”となっていましたが、ご家族からフィルムが提供されました!

提供いただいた中で最も古い和田勉さんの作品は、1960(昭和35)年放送の現代人間模様「歩く~ある行商人」。前編・後編あわせて60分のドラマです。

「昭和戦友会」の会員と称しゴム紐を売り歩く、いわば“押し売り”を続ける一人の男の姿を描きます。

かなりひどい最低な男です…が、だんだん憎めなくなってきます…。

続いてこちら!

芸術祭で奨励賞を受賞した1961(昭和36)年放送のNHK劇場「約束」です。今月から、お近くの番組公開ライブラリーで無料でご覧いただけます!

地滑りが迫る家に居座る家族。

芦田伸介さんと佐々木すみ江さんが夫婦を演じます。株で大損しても懲りず、頭の中はカネのことでいっぱい。二人は儲け話ばかり考えています。

芦田さんと父親違いの弟を演じているのが歌舞伎の中村萬之助(二代目・中村吉右衛門)さんです。

この家の二階に下宿している男性(山本學さん)から50万円を借りてくるよう夫婦に指示され、なんとか借りることに成功したものの…

「泥棒をしてでも“約束”を守るべきか?」「政治家は“約束”を守らなくても罪にならないのか…?」「“約束”というのは人間の命の根本である」
“約束”をめぐって様々なことを問いかけます。

この先は番組公開ライブラリーで是非お楽しみください!

和田勉さんの作品はいわゆる“アップ”の映像が多く、このドラマも芦田伸介さんや佐々木すみ江さんの汗ばんだ表情が印象に残ります。

セリフは文学的、哲学的なところが随所にあり、熱いメッセージが伝わってきます!

さて、このほかご家族から提供されたフィルムに残されていた和田勉さんの作品を、いくつか紹介いたしましょう。

埋立地の補償で手に入った大金を家族から託された男。
その金を狙う周囲の人間たち…。埋立地を通して、発展を続ける社会に警鐘を鳴らしています。

“世直し”と称し仲間を集める男。演じるのは、その後『仮面ライダー』の立花藤兵衛役でお馴染みとなった小林昭二さん。若き日の米倉斉加年さんも出演しています。
“世直し”の結末はいかに…?安保闘争時代の話題作です。

未来からの少女、未来からの刑事、追われる男…
230年後の未来からタイムマシンで来たという少女が、自分の祖先を殺すとどうなるか実験しようと男を追いかけます。ちょっとドキドキ、結末は…?

和田勉さんのドラマはとにかく個性的です!

今回ご紹介したドラマの中で、「約束」は番組公開ライブラリーでご覧いただくことができます。その他の作品で是非見てみたいものはありますか?皆さんの投稿コメントをお待ちしています!

さて!和田勉さんのご家族から提供いただいたフィルムには、更に貴重な映像が残されていました。続きは次回に!

思い出・コメントはこちら

ページTOP