発掘ニュース

No.048

2015.03.13

ドラマ

アーカイブスに残る一番古い番組映像は?

今年は放送が始まって90年だというのをご存知ですか?1925(大正14)年3月22日、当時の東京放送局(JOAK)がラジオ放送をスタートしたのが90年前です。

放送記念日の今月22日に向け“90年”に合わせた「90時間ラジオ」が企画されるなど、今年はNHKにとって節目の年です。(上の画像をクリックすると「90時間ラジオ」のホームページにリンクします。)

そこで今回は、放送の歴史にこだわった発掘ニュースをお届けします!

まずはこちら…

辞書や百科事典ではありませんよ!

昭和28年を示す文字、この年はテレビ放送が始まった年です。
実は、先週ご紹介した「ホームラン教室」と一緒に提供していただいた資料の一部で、何冊かの台本を束ねて製本したものです!

中を見てみると…

こちらはテレビ放送が始まって3か月後の子供向け番組「お人形さんはみんな仲よし」。
残念ながら映像は残っていません。台本によると…

二人の女の子が、それぞれオランダ人形と博多人形を抱きながら、“おままごと”のようにベンチでお話しをしています。そこに貧しくて紙の人形しか持っていない女の子がやってきて二人にいじめられますが、最後はみんなで踊って楽しく終わります。

このほか、テレビ放送開始の年に放送された「子供向けドラマ」の台本の数々が綴じ込まれていました。しかし、どれも映像の保存は無し…。是非見てみたい!と思うタイトルが多いのですが(涙)。

そこで思いついたのが、

“NHKのアーカイブスに残っている一番古い番組の映像は?”

という疑問です。調べてみました!
分かっている範囲で一番古い番組映像は、1952(昭和27)年12月13日放送のドラマ『枯草物語』の映像です。テレビの本放送が始まったのが昭和28年2月1日ですから、その2か月ほど前“テレビ実用化試験放送”の時代です。

まず残っていた資料用のスチール写真です!

右端に写っているのはカメラ。こんな形だったのですね!舞台は戦争で焼け野原になった東京でした。

若き日の名古屋章さん(左)が出演、阿里道子さん(右)との会話でドラマが進んでいきます。

こちらはアーカイブスに残っていた台本です。戦後、地位を失った華族の人々がおりなす人間模様を描いています。かつて華族の娘だった「島津かおる」の恋人「三ちゃん」を名古屋さんが演じています。血気盛んな若者の役です。

そのドラマの“動く”映像として残っているフィルムがこちらです!

残っていたのは、実は番組全部ではなくインサートフィルム。スタジオで生放送していたドラマの中に、あらかじめ外で撮影したロケの映像を挿入していたようです。今回デジタル化して映像を確認してみました!

全部で4分余りの映像、音声はありません。
まず現われたのは…

名古屋章さんです!撮影当時21歳、私たちが良く知る人情味あふれるお父さんや刑事を演じていた名古屋さんのイメージとはちょっと違いますよね!

フィルムの前半には、撮影場所やカメラの位置を変えながら、名古屋さんが暗がりで追いかけられ激しく殴られるシーンが残されていました。

…といっても映像をスローで再生してみると、殴っている男たちのパンチが全然届いていないのが良く分かります(笑)

何度も殴られて苦しむ名古屋さん、迫真の演技です!
台本によると、ドラマのオープニング・シーンにこの映像が使われていたようです。

フィルムの後半は一転して、おしゃれな洋館の映像から始まります。

そして、その庭では…

ダンスを踊る男女。華族が優雅に暮らしていた明治時代の回想シーンに使われていたようです。撮影場所は東京・三田にある慶応大学の構内というデータが残っています。

イチョウの枝越しに踊る二人。スタジオでは撮影できない映像を、屋外のロケでフィルム撮影したものが残されていたのですね。残念ながらスタジオ部分は“動く”映像が残されていません。

いかがですか?
もちろん戦前や戦時中のフィルムなどNHKが制作したものではない古い映像もアーカイブスには保存されていますが、NHKの番組のなかで“動く”映像として残っている最も古いものは、この映像と考えられます。

3月22日は放送開始から90年の放送記念日です。こんな放送の歴史も頭の片隅に置きながらNHKの番組を楽しんでいただけると嬉しいです!

思い出・コメントはこちら

ページTOP