発掘ニュース

No.031

2014.11.07

バラエティー

幻の第1回を探せ!其の一「ひるのプレゼント」!

今回は何やら気になる、まずこの写真から!『保管 厳重注意』の文字。

ベータテープに録画されたこの番組は…??

ジャーン!『昭和45年4月、第一回ひるプレ』、そう「ひるのプレゼント」のことです。
「ひるのプレゼント」は1970(昭和45)年に始まったお昼の看板番組、テーマ音楽を今でも口ずさめる方も多いのでは??
しかしNHKに保存されているものは少ないのが実情です。一番古いもので1973年放送の1本、その後も70年代は毎年何本かずつ保存があるだけです。

もし第1回であれば貴重な1本です!

さあ、はたして…?!

出てきたのは、最終回まで変わらず21年間続いたあのタイトル文字と音楽でした!

そして初代司会者の一人(※)、山川静夫アナウンサー(当時37歳)です!
「お昼のニュースが終わりますと、お昼のおかずは何にしようかと奥様方は一生懸命お考えの頃と思いますが…今日のお昼は何にしよう、今朝の残りの味噌汁か、いやいや今日も“ひるプレ”だと…こんな具合でひるのプレゼントが始まりました。」
…と山川節でスタート!

実は第1回「ひるプレ」ビデオテープの提供者は、この山川静夫さんです!
以前にも「ウルトラアイ」の発掘でご紹介した山川さん、自分で録りためたビデオを再び送ってくれました。

今週と来週は、この中から見つかった“幻の第1回”をご紹介します!
まずは「ひるのプレゼント」です。

正確に言うと第1週の「ひるのプレゼント」、その3日目です。
テーマは「落語入門」!

水前寺清子さん(当時24歳)と布施明さん(当時22歳)が弟子入りして落語の“いろは”を教えてもらうという設定です。二人ともお若いですね!

この日のゲストは柳家かえるさん、今の鈴々舎馬風さんです。
こちらもお若いですね!

一週間の通しゲストはかえるさんの師匠・柳家小さんさん。
師匠の家庭での様子を暴露して笑いの渦に…。

チータ(水前寺さん)と布施さんは小話を稽古!
小さん師匠が「隣の空き地に“囲い”が出来たってねぇ、”へぇ~“」というお決まりをはじめ、いくつかの例を2人に紹介すると…

チータ「隣の空き地に“へい”が出来たってね~…」
布施さん「間違いだよ!?」
チータ「間違いじゃないの!“かっこい~(囲い~)”」

なかなか筋が良いようで!

落語入門が終わると、インターミッションのようにピアノの音に合わせて40秒ほどパントマイムが!

そして「新曲コーナー」。スポーツ万能の俳優で「水戸黄門」の“飛猿”役でお馴染みの野村将希さんです。『野村真樹』の名前で歌手としてデビューしたての頃です。

最後はみんなでにぎやかに歌ってエンディングという盛りだくさんのメニューでした。

山川さんは、 「当時はNHKらしくないバラエティー番組を目指そうと、ディレクターと一緒に“反逆精神”で頑張っていました。ネクタイをしないで番組に出ることも新しい試みでした。“ひるプレ”と略称で呼ぶと上層部に注意され、毎週『お叱り』を受けていました。」 と笑って話してくれました。

その「ひるプレ」が21年続く看板番組に育っていくわけですから、山川さんたちの“反逆精神”に敬意を表したいですね!

さて「ひるのプレゼント」、最終回も発掘された映像で残っています。

こちらは日本大学芸術学部放送学科から提供いただいたビデオテープに残っていました。

司会は宮本隆治アナウンサー。この最終回が5257回目(平成3年3月29日放送)、歴代の司会者が集まって“ひるプレ卒業式”と題して放送されました。

この「ひるプレ」が平成3年に「ひるどき日本列島」にチェンジ、現在の「ひるブラ」へと続いています。お昼のひと時に歴史あり!その歴史が映像で発掘されたことに感謝いたします。

次回は歌番組の“幻の第1回”をご紹介します!

(※)「ひるのプレゼント」の一年目は山川さんと飯窪長彦アナウンサーが隔週で司会をしました。

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