発掘ニュース

No.016

2014.07.18

情報番組

山川静夫アナから『ウルトラアイ』発掘!あと1本に!!

去年、集中的に発掘を進めた『ウルトラアイ』。11月には「NHKアーカイブス 科学バラエティの元祖“ウルトラアイ”」で発掘の成果を紹介しました。


(「NHKアーカイブス」2013年11月24日放送)

『ウルトラアイ』は、現在放送されている「ためしてガッテン」の原点ともいえる番組で、司会の山川静夫アナウンサーの体を張った実験が反響を呼び、8年続いた番組の平均視聴率はおよそ20%!科学を身近に引き寄せてくれた人気番組でした。

全295回の放送のうち206回分しか保存がなかったのですが、集中発掘で293回分までが見つかり残りは2本となっていました。

「NHKアーカイブス」の中では残り2本の情報提供を呼びかけました。「冷凍保存」と「寒さ」。なぜか似たようなタイトルの2本…私たちプロジェクトメンバーの中でも、コンプリート(=完全収集)に一番近い番組としてその後も探し続けていました。

なんと、そのうちの1本が見つかったのです!!!!

身近なところにその1本はありました。そう!司会者の山川静夫さんです!
山川さんからはこれまでも『ウルトラアイ』はじめ、古典芸能や歌番組など数々のビデオテープの提供を受けています。今回の発掘は、古典芸能などを録画したテープをチェックしていた時に見つかりました!

箱に入ったベータテープの数々。歌舞伎や邦楽のタイトルが並んでいます。全て山川さんが録画したものです。その中に!

『冷凍食品』の文字!

ビデオテープチェック担当の女性スタッフは、探しているタイトル『冷凍保存』とは違うものの「怪しい!」とにらんで再生をはじめました。

『ウルトラアイ』のオープニング!そして出てきたのは…!

「冷凍マンモス」!!シベリアで凍った土の中から見つかった4万年以上前のマンモスの赤ちゃん。夏でも氷点下に凍ったシベリアの土が『天然の冷凍庫』になって保存されていたというインパクトのある映像です!

このあとスタジオで山川アナが「今晩のウルトラアイは『冷凍食品』でございます」とあいさつ。さらにゲスト出演者の小山明子さんの情報が一致したことなどから、これは1980年6月2日放送の『冷凍食品』の回であると断定!(どうやら私たちが参考にした資料のタイトルが間違っていたようです…)

見事、『ウルトラアイ』が残り1本になった瞬間でした!!
私たちの喜びの声を聞いて、プロジェクトのメンバーも集まってきました。

さて、この『冷凍食品』の回、どんな内容だったかといいますと…
食べ物を保存するうえで“冷凍”することがどんな変化をもたらすかを実験していきます。

例えば、冷凍の向き不向きの実験。冷凍したあと解凍すると…

レタスはゆでたようにベチャベチャ

こんにゃくはスポンジのように穴が

ゆで卵は白身が層のようにはがれ…

ウニは水分が染み出てとろけてしまいました

さらなる実験では「手作り料理」と「冷凍食品を使った料理」が対決!
冷凍食品が広く使われるようになった1980年、“便利”な一方で“手抜き”と批判されることもあったようで…。はたして勝負の行方は?!

舞台は都内の団地。

【労力】【味】【値段】【時間】の4つの項目で競い合います。

労力は「ダグラスバッグ」というものを使って呼吸の中の炭酸ガスの量を測ります。
こうした実験が『ウルトラアイ』の新しいところでした!

味は「官能検査」という専門の方法で。

さて結果です!

時間労力はどの料理も圧倒的に冷凍食品が少なく4分の1ほど。値段に関してみると、ポテトコロッケは手作りの方が安く、ギョウザは冷凍食品が安い。肝心の“味”はというと、ギョウザは微妙に冷凍食品の方が勝っていました…。なんとなく予想できる結果でしたが、実験で見せられると説得力があるのが不思議ですね。

そしてなにより、随所に『ためしてガッテン』の原点を見たような気がしました!

今回の発掘に関して山川静夫さんは、「私は“保存癖”があるんです。引っ越しのたびに録画テープを持ち歩くのは大変でしたが、残しておいて本当に良かったです。家内にはいつも捨てろと言われていましたが…(笑)」と話してくれました。山川さん、本当にありがとうございました!

残るは1本!1979年2月5日放送の「寒さ」。何とか見つかりますように…!

思い出・コメントはこちら

ページTOP