自分が作った曲をプロの歌手が歌ってくれる…！そんな夢のような番組がありました。『あなたのメロディー』です。

1963年から1985年まで20年以上続いた人気番組で、視聴者が作詞・作曲した歌をプロの歌手が披露し、毎回アンコール曲（優秀曲）が選ばれます。「与作」や「空よ」などの名曲、ヒット曲を生みました。

その『あなメロ』（略してそう呼ばれていました！）、1000回以上の放送がありながら保存されているのは、そのうちの1％以下です…。

貴重なビデオテープを提供してくださったのは山形県寒河江市にお住まいの大泉静夫さんです。まずは37年前の大泉さん、こちらです！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（となりは司会の神津善行さん）

メガネをかけて真面目なイメージのスーツ姿、実は中学校の数学の教師だった大泉さん。趣味で作った曲を『あなメロ』に送り、これがなんと2回目の出演だったと言います！

「スタジオに入り、リハーサルで自分の曲を生オーケストラで初めて聴いた時には身震いしました！」という大泉さん、普段の生活では得られない人生での貴重な体験だったといいます。
学校の子供たちには内緒での出演でした！

録画機材など持っていなかったため、実家が旅館だという友人に頼んで録画してもらいました。今回提供してくださったのは、そのＵマチックテープです！

曲名は「白昼夢」。歌ったのは真木ひでとさんです。

『♪しおれたバラは花びんを伝い西日の床をはう
ちぎれた雲は気まぐれ風（かぜ）にいやいや飛ばされる
けだるい夏の昼さがり
むなしい夢のかげろうに
ひとり目をつむるだけ
割れたグラスをこぼれるワインのように
ひび割れた心を熱い熱い時間が過ぎてくアー
甘い昔も、白昼夢アアアー』
（大泉さんの許可を得て1番の歌詞を全て掲載いたしました！）

曲はというと、早いテンポのポップなメロディーで、中学の数学の先生が…というビックリ感もありましたが、何度か聞いているうちに「♪はくちゅうむ～」とサビの部分を口ずさむようになりました（笑）

こうなったら真木ひでとさんにも聞きたい！…ということで、今も歌手として活動なさっている真木さんにお話を聞くことが出来ました！

（去年のコンサートでの真木さん、若い！）

もともとＧＳ（グループサウンズ）バンドのボーカルとしてデビュー。その後、演歌歌手として活躍していた真木さんにとっても、心に残る一曲だと言います。
「デモテープをもらった瞬間に、これは僕のために作られた作品だと思いました。実はこの曲をレコードにして出したいと思ったのですが、当時演歌歌手として再スタートしたばかりだったので実現しなかったんです。」と話してくださいました。

『白昼夢』は見事、この回の優秀曲に選ばれました！真木ひでとさんも「『あなメロ』には何回か出演しましたが優秀賞をとったのはあの曲だけです。」

（現在の大泉さんです！）

大泉静夫さんは現在６４歳。校長先生まで務められて今は退職なさっています。仕事の忙しさもあり「その後、あまり多くの曲は作っていません」とのことですが、最近『さくら回廊　ゆめ紬（つむぎ）』という地元の桜をテーマにした演歌を作ったそうです。「あなたのメロディー」が今もあったら、応募してくださったのでは…と勝手な想像をしてしまいました。

年齢も近い大泉さんと真木さんは、今もメールでのやり取りなど交流を続けているといいます。「あなたのメロディー」がつないだ縁、きっとまだまだたくさんのドラマが眠っているのでしょうね！『あなメロ』に出演した皆さん！テープは残っていませんか？お持ちの方は是非情報をお寄せ下さい！

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