続いて昭和38年放送の「美しき遍歴」。
清純さの中にどこか哀愁を漂わせた美貌で人気を集めていた千登勢さんと、山本さんが初共演した作品です。東京での学生生活を終え郷里へ帰ろうとする娘と、その恋人との葛藤が描かれました。

実は当初のキャスティングでは千登勢さんの相手役は別の俳優の方だったそうです。しかし相手役のスケジュールの都合がつかず代役として名前が挙がったのが山本さんでした。千登勢さんは、まだ無名に近かった山本さんのプロフィール写真を見るなり『私はこんな人と恋人同士を演じるのは嫌だ』と言って演出家の前で泣いてしまったそうです。演出家から後日談として聞かされた山本さんは『なんて傲慢な女優なんだ』と憤慨したそうで、この時は結婚に至るとは思ってもみなかったそうです。
全26話中すべてが未保存です是非情報を！

千登勢さんの人気を不動のものとしたのが、昭和40年放送の連続時代劇「人形佐七捕物帳」です。人形のように美男で“人形佐七”の異名をとった主人公を軸に、サスペンスと人情を織り交ぜた作品です。この中で千登勢さんは佐七の妻「お粂」役を熱演。放送期間は半年の予定でしたが、好評だったため1年間に延長された作品です。

また実生活では、撮影期間中に山本さんとの結婚を発表！
ここで裏話が…！
結婚式を海外で予定していた千登勢さん。しかし収録が忙しく休みどころではありません。
苦肉の策として出した方法、それは…？？

脚本家に頼み込み、ドラマの筋を書き直してもらうというウルトラCでした！
その結果、「お粂」が病気になる設定に書き直され、なんと1週間の休みが…。この直談判、脚本家と演出担当者は渋々認めたそうです。その一方で、主演の松方弘樹さん始め共演者には一切知らされていなかったそうです…。
仰天エピソード満載のこのドラマ全50話、すべてが未保存です。

初めての大河ドラマ出演作となったのが昭和46年放送「春の坂道」です。
剣術家・柳生但馬守宗矩の生涯を、徳川三代の時代を背景に描いたドラマ。千登勢さんは宗矩の正室「おりん」役を演じました。
最終回のみが残っています。

そして代表作となったのが昭和49年放送、連続テレビ小説「鳩子の海」です。
悲惨な戦争体験から記憶を失った主人公・鳩子の母親役を演じ、最高視聴率53.3％を記録した感動の名作です。
この作品は全312話中、38話分が保存されています。

「鳩子の海」、夫である山本さんも大事に保存されていました。最終回の1つ前となる第311回の放送を録画したビデオテープを提供頂きました！更に山本さんは、自宅の物置部屋に残されていたVHSテープ551本、全てを番組発掘プロジェクトに提供してくださいました。

その結果…！
「鳩子の海」以外にも、ご夫婦で出演された「連想ゲーム」、親子で出演された
「お笑いオンステージ・減点ファミリー」そしてご家族で出演された「ゲーム家族会議」が発掘されました！

発掘されたこれらの番組は、
8月18日（火）放送予定の「ひるまえほっと」（関東地域のみの放送）＜総合テレビ午前11:05～11:55＞ でご紹介します。また当日は、ゲストに山本耕一さんをお迎えして、録画テープに残された番組の思い出や、今だから語れる夫婦愛の秘話をお聞きする予定です。お楽しみに！