昭和35年(1960年)、チリ地震が引き起こした津波は太平洋を横断し、三陸海岸にも達した。しかしながらその被害は沿岸各地によってはまったく異なり、伝えられてきた記憶にも大きな違いが生まれていた。
昭和35年(1960年)5月22日にチリ近海を震源とした地震は、マグニチュード9.5という、観測史上最大級の地震といわれている。
これによって引き起こされた津波は、ハワイ、オーストラリア、アリューシャン列島など太平洋全域を襲い、地球の反対側にあたる日本にも到達。
津波の被害は北海道から沖縄までの太平洋沿岸地域に及び、三陸沿岸では、リアス式海岸の湾奥に位置する岩手県大船渡市、宮城県志津川町で死者を出す被害が発生した。