青森県佐井村で漁師が繋ぐ「福浦の歌舞伎」5年ぶり上演に密着
- 2024年04月16日
本州最北の地・青森県佐井村の福浦地区。津軽海峡の恵みとともにおよそ80人が暮らす漁師町です。この小さな集落で130年以上にわたって受け継がれてきた「福浦の歌舞伎」。伝統を紡いでいこうと、県外の人や移住者も参加して5年ぶりに上演されました。その舞台裏に密着!
(※2024年4月13日にNHK青森『あおもりもりもり』で放送)
青森県 佐井村って…
下北半島の西側に位置する佐井(さい)村。半島をまさかりの形にたとえると、ちょうど刃の部分に位置するのが佐井村です。人口1,600あまりの小さな村には、奇岩がそびえたつ景勝地「仏ヶ浦」や、5月~8月にかけて楽しめる絶品の「ウニ丼」など、自然の恵みが詰まっています!
世襲で繋いできた「福浦の歌舞伎」
村の漁師町・福浦地区には、地元の漁師や住民たちによって演じられてきた歌舞伎があります。
その名も「福浦の歌舞伎」。
明治20年頃に上方役者に教わったのが始まりとされ、冬になれば雪と大荒れの海に閉ざされる最北の地で、貴重な娯楽として受け継がれてきました。
伝統的に役柄は“世襲”。
かつて地区の男性は学校を出たら歌舞伎に参加するのが決まりで、それぞれの家で父親が演じた役を息子に引き継いでいったそうです。
伝承へ 新たな参加者たち!
長く繋げてきたこの歌舞伎、地区の人口減少により後継者不足に悩まされてきました。
10年ほど前からは、地区外から演者を募集。
コロナ禍を経て5年ぶりの上演となったことしも、移住者や県外の人とともに舞台を作り上げました。
【東京から参加した小池さん】
こんなに部外者を受け入れてくれると思っていなかったです。みなさん本当に一生懸命で、自分も頑張らなきゃと思いますね。
【青森県むつ市から参加した堺さん】
自分の地元にもかつては歌舞伎がありました。もう人もいないし復活は難しいですが、(福浦では)まだくらしの中に生きている。協力したいと思って参加しました。
ことしの演目は「義経千本桜」
源義経の都落ちを舞台にした物語です。
2年前、父の地元である佐井村に神奈川県から移住してきた金澤由衣さんは、ことしはじめての参加で大役を任されました。義経を恋い慕う静御前です。
5年ぶりの上演 みんなでつくる舞台
会場にはおよそ200人が集まり、待ちに待った上演を見守りました。