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口座は絶対に他人に譲り渡さない!
小原敏幸(記者)
2022年12月14日 (水)

詐欺にだまされないための対策を考える「ストップ!詐欺」。
今回のテーマは「口座は絶対に他人に譲り渡さない!」です。
実際にインターネット上でこのように「口座を高額で買い取る」といった書き込みがあります。
これに対して、お金に困った人がつい応じてしまうケースがあります。
しかし、こんな書き込みをするのはほとんどが何らかの犯罪グループで、そういった場合、買い取られた口座は犯罪に悪用されてしまいます。
ここで出てくるのが特殊詐欺です。
わたしたちも過去に何度も取り上げた還付金詐欺を例に見てみましょう。
まず被害者が犯人グループに指定された口座にお金を振り込みました。
そして犯人グループはまんまと現金を引き下ろします。
その後、口座番号から名義人が判明したとしてもそれは、以前に詐欺グループが「Aさん」という第三者から買い取った口座ですので、そこから詐欺グループにたどり着くのは困難になります。
そうすると、ここでいう口座の名義人である「Aさん」が、犯人として疑われそうですが、この場合は「Aさん」が詐欺罪で立件されるケースはほとんどありません。と言うのも、口座を売った人のほとんどは、特殊詐欺の行為に故意に加担していないからです。
しかし、そうなると、高額で買い取ると言われると、口座を売ってしまう人も多いと思いますよね。そこが落とし穴です。
実は、口座を売る、譲り渡す行為そのものが法律で禁止されています。
詐欺罪ではないけれど違法行為ではある、ということです。
犯罪収益移転防止法という法律があります。
この法律では、口座を他人に譲り渡すこと、また、他人の口座を譲り受けることが禁止されています。
違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。
警察によると、ことし(令和4年)11月末時点で、青森県内では少なくとも21人が口座の譲り渡しで検挙されていて、過去3年間の内で、最も速いペースで増えています。
こうした行為は違法なんだと強く認識しなければいけません。
口座を譲り渡す行為はそもそも違法行為です。
お金に困っているからといって安易に自分の口座を売ったり、貸したりするのは絶対にやめましょう。
また、一度売ってしまった口座は、特殊詐欺などの犯罪行為に悪用され、被害者を生むことにつながります。
犯罪を助長することなく口座は自分のために使用して下さい。