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百貨店を名乗る閉店セールに注意!
小原敏幸(記者)
2022年06月10日 (金)
詐欺にだまされないための対策を考える「ストップ!詐欺」。
今回のテーマは「百貨店を名乗る閉店セールに注意!」です。
県内でも4月に八戸市の老舗百貨店が閉店するなど、全国で閉店が相次いでいます。
実は、このような閉店のニュースにつけ込んだ悪質な通販サイトが増え、全国的にも被害が増えているといいます。
どのような被害があるのか、まずは県内の事例について見てみましょう。
ブランド品が9割引き!?
ことし(令和4年)4月、津軽地方に住む30代の女性がスマートフォンを操作していたところ、実在する大手百貨店の名前が書かれた広告の画面が出てきました。
広告には、「閉店に伴う在庫処理のためセール実施」などと書かれていて、ブランド物の商品が最大9割引きされると表示されていました。
女性が広告をクリックすると、閉店セールをかたった通販サイトの画面が表示されました。画面にはブランド品が破格の値段で表示されていて、女性は1万1800円に値下げされた定価14万円の財布を購入することに決めました。
代金の支払い方法は、商品が配達された際に支払う「代金引換」の1つしかありませんでした。
女性は通販サイトで購入決定のボタンを押すと、確認のメールが送られてきました。
ここで女性は念のため、この大手百貨店が本当に閉店するのかなど情報収集したところ、そのような事実はなく、偽の通販サイトだとわかったということです。
女性は偽の通販サイトの問い合わせ先に何度もメールを送ったところ、およそ1ヶ月後にキャンセルを承諾したという返信がきたということです。
その間、商品が送られてくることはありませんでした。
県消費生活センターによりますと、商品が届いて中身を確認するとまったく違うものが入っていた、などの被害があるということです。
代金引換で注文した商品が送られきた場合、通常は中身を確認せずに支払いをしますよね。
中身が全然違った場合、ふつうの取引相手であれば代金の返還や商品の交換などに応じるところが多いですが、相手が偽サイトの場合は、こうした対応はほとんど期待できないため、代金をだましとられてしまうおそれがあるんです。
こうした百貨店の閉店セールをうたった偽サイトの被害の相談は、令和2年度まではなかったということですが、昨年度は10件、今年度は5月の時点で3件寄せられているということです。
被害に合わないためには?
県消費生活センターによりますと、大手百貨店が通販サイトで高額なブランド品を大幅に値下げして販売することはないので、このような広告を見つけたら、偽サイトだと思ってクリックしないでください。
また、こうした偽サイトは海外で運営されているケースもあり、日本語の表現がおかしくないか注意することも大事だといいます。