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パーソナル筋力トレーニングでのけがなどに注意

執筆者梅本一成(記者)
2022年05月26日 (木)

パーソナル筋力トレーニングでのけがなどに注意

詐欺にだまされないための対策を考える「ストップ!詐欺」。
今回のテーマは、詐欺ではありませんが、「パーソナル筋力トレーニングでのけがなどに注意」です。
全国で相談があとを絶たないため、注意を呼びかけることにしました。

パーソナル筋力トレーニングとは?

パーソナル筋力トレーニングとは?

パーソナル筋力トレーニングとは、1対1でトレーナーの指導を受けるトレーニングのことです。筋力トレーニングだけではなく、日々の食事にまで指導が及ぶこともあります。
新型コロナの感染防止のため、スポーツジムなどに行かなくてもいいこうしたサービスを利用する人が増えているとみられています。
こうしたトレーニングの指導をするトレーナーには資格を持つ義務がありません。中には専門的な知識を持たないトレーナーもいるとみられていて、適切な指導ができず、けがにつながることもあるようです。

寄せられた相談

寄せられた相談

全国の消費生活センターには、2017年度から2021年度までの5年間に、合わせて105件の相談が寄せられました。
相談者の90%近くが女性で、年代別では40代が最も多く、次いで30代、50代の順に多くなっています。
次にけがの程度を見てみます。

けがの程度の内訳

最も多かったのが、治療に「1か月以上」かかったケース。
およそ25%で4人に1人です。

けがの内容

また、相談の内容については「原因不明の痛み」が35件、「神経・脊髄の損傷」と「筋肉・腱の損傷」がそれぞれ21件でした。

過度なトレーニングで疲労骨折の疑いも

去年6月、京都府の30代女性が寄せた具体的な相談内容を見てみます。

去年6月、京都府の30代女性が寄せた具体的な相談内容

女性は去年4月から週2、3回のトレーニングを始めました。
トレーナーからは「床の上に置いたバーベルを腰の高さまで持ち上げるように」と言われ、ウエイトを次第に重くしていったということです。

去年6月、京都府の30代女性が寄せた具体的な相談内容

2か月後、トレーナーから「30キロから45キロのバーベルを持ち上げるように」と言われ、指示どおりに持ち上げたところ、腰に痛みを感じるようになり、その後は軽いバーベルも持ち上げることができなくなりました。

去年6月、京都府の30代女性が寄せた具体的な相談内容

女性は、医師から腰の骨が折れていると診断され、2か月にわたって過度なトレーニングを行ったことから、疲労骨折の疑いもあるということです。
このトレーナーは女性に対して、ほかにも不適切と考えられる食事の指導も行っていたということです。

トラブルにあわないために

注意するポイント

①適切なトレーニングプランが作成されているのか、確認してください。トレーニングを安全かつ効果的に行うには、適切な運動強度で行うことが大切です。トレーニングを始める前に、運動習慣や持病などの調査、体力テストなどを実施したうえで、プランが作成されているか確認しましょう。

②トレーニング中に痛みや違和感を覚えたときには無理せず中断してください。自分の体を誰よりも知っているのは自分自身です。トレーナーの指示をうのみにせず、自分の意思で中断することが大切です。

③痛みを感じたときはトレーナーに伝えたうえで、医療機関を受診してください。また、けがをしてしまったときの補償の有無などをあらかじめ確認しておくことも重要です。 

もし、トラブルに遭った場合は、消費者ホットライン188に相談してください。

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