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青森県知事選挙 何を訴えた?候補者演説を徹底分析!

執筆者佐藤裕太(記者)
2023年05月18日 (木)

青森県知事選挙 何を訴えた?候補者演説を徹底分析!

青森県知事選挙は5月18日に告示され、無所属の新人4人が立候補しました。

立候補したのは届け出順に、▼元むつ市長の宮下宗一郎氏(44)、▼共産党と社民党が推薦する元むつ市議会議員の横垣成年氏(63)、▼元青森市長の小野寺晃彦氏(47)、▼元損害保険会社の社員の楠田謙信氏(66)の4人です。

NHKはそれぞれの候補者の演説を、AIを使った「テキストマイニング」という手法で分析し、有権者にどのような内容を訴えたのかを読み解きました。
演説の中で使われた政策や選挙運動に関する言葉の回数を集計し、より多く使われた言葉をより大きく表示しています。

宮下宗一郎氏

宮下氏は、およそ12分間演説しました。

最も多く使った言葉は「人」の9回でした。
「若い人たちがあふれて、若い人たちが戻ってくる青森にしたい」と述べ、「所得」を上げることで「仕事」を生み出すことや、「子供」を育てる支援策の充実を訴えました。

次いで多かったのが「県民」と「青森新時代」です。
「青森新時代」は、宮下氏のキャッチフレーズで、実現のために12項目の政策を掲げています。

具体的には、燃料や電気、物価の「高騰」に対する緊急対策の実施や、患者や地域の負担を軽減する新たな医療連携のあり方の構築などを訴えています。

そして演説では、6月4日の投開票日に「大きな花を咲かせます」と述べ、集まった人たちに支援を呼びかけました。

横垣成年氏

横垣氏は、およそ7分間演説しました。

「憲法」「県政」がそれぞれ7回と最も多く、「県民」や「支援」という言葉も多く使われました。

共産党と社民党から推薦を受ける横垣氏は演説の中で「県民を守っている『憲法』を『県政』の中心に据えて、暮らしと平和を一番にする」と述べ、基本的人権の尊重を掲げる憲法を守りながら、県民に寄り添う県政を目指すと繰り返し訴えていました。

また「核」という言葉は、国が進める核燃料サイクル政策を「破綻している」と批判する際に使われました。

その上で、原発の使用済み核燃料から出るいわゆる「核のごみ」を一時的に保管している青森県を、最終処分場にさせない条例を作ると訴えました。

小野寺晃彦氏

小野寺氏は、およそ10分間演説し、最も多く使われた言葉は「県民」で11回でした。

「『県民』のみなさんと『約束』していく」などと、公約実現に向けた決意表明で使われました。

ほかに多用していた「県」は、「しっかり稼げる県」「すくすく育つ県」「元気で長生きな県」「くらしを支える県」という公約で掲げている「4つ」の柱を訴える際に使われていました。

小野寺氏は演説で、農業の産出額や観光客数を伸ばし、若い人が働く場所をつくることや、子育ての相談体制の整備、それに、物価高騰対策としてプレミアム付き商品券を配布することを訴えました。

また「数字」や「目標」という言葉も使い、ほぼすべての公約に数値「目標」を盛り込んだこともアピールしました。
        
楠田謙信氏

楠田氏は、8分余り演説しました。

最も多かったのは「経済」と「発展」という言葉で、それぞれ13回使われました。
演説で「『経済』を『発展』させることが青森にとって一番大事なことだ」と述べました。

「農業」「林業」「水産業」といった言葉も多く使われました。
働いて一定の収入が得られれば、青森県に人口が定着するとして、一次産業の活性化を訴えました。

「人」という言葉も多く使われ、一次産業の発展には、担い手不足の解消が必要で、若い「人」を呼び込んで消費を拡大するべきだとしています。

また青森の商品を「東京」で販売したり、「りんご」の収穫体験で観光客を誘致したりして、産業の活性化につなげたいとアピールしました。

青森県知事選挙の投票は6月4日に行われ、即日開票されます。

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