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大雨から1か月・元気を取り戻そう!鯵ヶ沢の今

執筆者森谷日南子(記者)
2022年09月06日 (火)

大雨から1か月・元気を取り戻そう!鯵ヶ沢の今

県内各地で浸水や農業被害などが相次いだ先月の大雨。
被害の大きかった自治体や産業の1か月たった今をシリーズで伝えていきます。
2日目はわたし、弘前支局の森谷が、 県内で最も多い浸水被害があった鯵ヶ沢町の今を伝えます。

「内水氾濫」などが起きた舞戸地区は?

私は大雨の当日から町を度々訪れて取材を続けてきました。
浸水被害が集中したのは、
駅や病院などがある町の中心部、舞戸地区です。

写真提供 ショッピングセンターパル

これまでに住宅など476件の浸水被害が確認されていますが、そのほとんどが舞戸地区だといいます。

内水氾濫

大雨で、舞戸地区の用水路の水が川に排出できなくなる「内水氾濫」が発生し、さらに堤防を越えて水があふれる「越水」が起きたことで浸水被害が拡大したとみられています。

泥は撤去されたけれど・・・

山本さんの家

今回再び訪ねたのは、住宅が浸水した山本裕子さんと家族が暮らす住宅です。
先月11日に訪ねた際は、キッチンが泥だらけだったほか、新聞や靴などが散乱していましたが、泥が撤去されて、生活できる状態にまで戻っていました。

ただ、家の床をまだ張り替えていないため、カビの匂いがあがってくるといいます。
町は、▼床上浸水は10万円、▼床下浸水が5万円の見舞金制度を設けましたが、いつ入るかもわからない状況が続いています。

山本裕子さん
全部張り替えるには、この見舞金だけでは、正直厳しいですね。家の大きさも家族ごとで違うと思うので、一律10万円と決められてしまっても厳しいかなって思っています。使える部屋だけを整えるしかないですね。

取り戻そう元気な鯵ヶ沢!

店内

まだまだ復旧にはほど遠い一方で、前に進む動きも。
今月5日に営業を再開した地区のラーメン店です。

のぼり旗

店の前には町の復興への願いを込めて、のぼり旗を掲げられていました。

およそ80センチ浸水し休業を余儀なくされたこの店。
急ピッチで業者と復旧作業を進め、1か月弱で営業再開にこぎ着けました。

ラーメン店主 土屋智則さん

常連さんもたくさん来ていただいて、「やっと食べられた」「これからも頑張ってくれ」っていう励ましの言葉もいただきまして、スタッフ一同全員でまた頑張っていきたい。

弘前支局の森谷日南子記者に聞く

Q.浸水被害の復旧は進んでいるんでしょうか?

森谷日南子記者
ラーメン店のように復旧が進んでいるところもあり、飲食店や商店が再開して町の活気も徐々に戻ってきたという声もあります。ただ、「家の片付けが終わらない」とか「支援金がでないので業者に修理を頼めない」と話す住民も多くいるのが現状です。県や町も支援に乗り出していますが、1か月たっても復旧はまだ始まったばかりで、生活が完全に元に戻るにはまだ時間がかかりそうです。

Q.一方で、また雨が降ったらという心配、町の人たちも持っていると思うんですが、今後の対策については、どうなっているんでしょうか。

森谷日南子記者
町は、内水氾濫を防ごうと、川への排水を強化するためのポンプを5台ほど設置する考えです。取材をしていると、復旧とともにこうした対策の強化を求める声も多く聞かれました。生活再建の支援はもちろんですが、二度とこうした被害を起こさないためにも、一刻も早い対策が必要だと感じます。

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