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こんなに苦しいなんて..."記者の新型コロナ療養記"

執筆者浅井遼(記者)
2021年10月07日 (木)

こんなに苦しいなんて..."記者の新型コロナ療養記"

新型コロナウイルスの感染拡大が県内でも続いていた9月初め。

私は新型コロナウイルスに感染し、中等症で入院しました。

感染症対策もしっかりとっていた中での感染、まさかの出来事。

回復して職場にも戻った今、あの時を振り返ると「こんなに苦しいなんて…」というのが率直な感想です。

私の体験を知っていただき、もしもの時の助けになればと思います。

体力には自身が

8月半ばから9月初めにかけて、下北地方の大雨取材など精力的に県内を駆け回っていました。

私は身長175センチ、体重86キロ。

少し太り気味ではあるものの、体力には自信がありました。

ここ十数年、風邪をひいた記憶もありません。生まれてから入院の経験もなく、自分とは関係のない話と思っていました。

それは突然やってくる

浅井記者の経過

9月7日夕方、37度の熱と風邪のような症状があり念のため保健所に連絡しました。

この時点では「たいしたことはない」と思っていました。

正直、甘く考えていたのは否定できません。

8日午前2時、突然激しいせきの症状が出ました。意識がもうろうとする中、救急車を呼ぼうか迷っている最中に寝てしまい朝を迎えました。

肺炎で即入院

三沢病院 発熱外来

8日午前、地元にある三沢病院の感染の疑いがある人を対象にした「発熱外来」で診察を受けました。

PCR検査の結果は陽性。肺炎の症状があり中等症で入院となりました。

8日の夜には40.9度の熱が出ました。

8日から10日にかけてが最も症状がひどく8日の夜には40.9度の熱が出ました。

担当の看護師によると、私が今までで一番高熱の患者だったということです。

ひどいのは熱だけではありません。

せきもひどく呼吸をするのも苦しい状態が続き、意識がもうろうとすることもありました。

また、体に悪寒が走ったかと思えば、数分後にはいきなり汗が出て体が熱くなるなどの症状を繰り返し「体が壊れていく」という恐怖を感じました。

入院中の浅井記者

苦しみはさらに続きます。

新型コロナは肺の背中側の部分に炎症が出るという特徴があるようです。

実際、背中に痛みがあり、看護師の指示でうつ伏せになって寝ていたところ、激しいせきを繰り返したことが原因なのか右側の脇腹に激痛が走ります。

あばら骨付近の神経に針を刺されたような今までに感じたことがない激痛。

四つんばいのような状態で数時間、1人もだえ苦しんでいました。間違いなく人生で最も苦しい経験でした。

抗体カクテル療法やレムデシビル投与などの治療も

入院期間中、私は抗体カクテル療法やレムデシビル投与などの治療を受けました。

このうち抗体カクテル療法は2つの薬を同時に投与し、ウイルスの増殖を抑えるという日本では比較的新しい治療法です。

担当の医師によると、この治療法で多くの人が数日で症状が改善するということです。

私も11日の午前中から、にわかに症状が改善し15日無事退院となりました。

ただ、この抗体カクテル療法は全国で爆発的な感染拡大が続いていた当時、国からの治療薬の供給が減っていたということでした。

このときは病院に在庫があり私は運良くこの治療を受けることができましたが、もし薬がなかったらと思うと恐ろしい思いがします。

こうした薬の安定的な供給が今後の課題になるかも知れません。

コロナ回復後も油断できない

この時点ではまだ外出できないので保健所が届けてくれたレトルト食品やカップめんなどを食べて過ごします。

この時点ではまだ外出できないので保健所が届けてくれたレトルト食品やカップめんなどを食べて過ごします。

退院後は、自宅療養となりました。

この時点ではまだ外出できないので保健所が届けてくれたレトルト食品やカップめんなどを食べて過ごします。

パルスオキシメーター

また、体温のほか血液中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターでこまめに数値を確認していました。

通常、酸素飽和度は96%~99%が正常値と言われていますが、この数値が下がり93%以下になると、肺の機能が衰え十分な酸素を取り込めていないことを示し、ひどくなると酸素吸入が必要になるため注意が必要です。

職場復帰を考えていた19日夜、38.7度の熱とせきの症状が出たのです。

17日になると症状もほぼなくなり保健所から「来週以降、普通の生活をしてもかまわない」という連絡を受けました。

しかし、苦しみは再びやってきました。

職場復帰を考えていた19日夜、38.7度の熱とせきの症状が出たのです。

感染者用として教えてもらっていた非常用の保健所の番号に電話をし、20日の午前中に再び三沢病院を受診しました。

検査の結果は、細菌性の肺炎でした。

新型コロナで免疫力が落ちていたところ今度は肺に細菌が入り込んだようです。油断をしたつもりはありませんが、軽快後も細心の注意が必要だと実感しました。

知らない間に秋になっていた

3週間の療養生活も終わり、無事職場に復帰しました。

久しぶりに外に出てみると、肌寒い風を受け秋を感じました。

この3週間は私にとって、ぽっかりと空いた穴のような存在です。食欲はまだ戻らず7キロほどやせました。

後遺症かはわかりませんが、息切れやけん怠感の症状はあります。

ただ、少しずつ回復するのを実感する毎日で、献身的にサポートしてくださった保健所や医療機関の人たちには、ただただ感謝しかありません。

同時に、医療現場の負担がこれ以上重くならないようにするには1人でも感染者を増やさないことが重要だとも実感しました。

首都圏などでは、症状が悪化しても入院先がないというニュースをたまに見かけます。

幸い、当時は病床に余裕がありスムーズに入院できた私ですが、青森県でも感染爆発が発生した場合、同じ状況になるのではと心配になります。

もちろん、感染しないように1人1人が対策をとることが何よりも大切ですが、今後に備え治療薬や病床を十分に確保することも必要だと感じます。

また、私は中等症ですぐに入院しましたが、軽症と診断された場合は、自宅か専用の宿泊施設での療養となっていました。

しかし、当時の保健所の説明によると、三沢市や近隣の十和田市には専用の宿泊施設はなく、八戸市の施設も満室の状態で、およそ90キロ離れたむつ市にしか空きがないということでした。

症状の急激な悪化を考えると、自宅よりも医療関係者などが待機する宿泊施設の方が安心ですが、三沢市やその周辺の軽症者は事実上、自宅療養の選択肢しかなく大きな課題に感じます。

県は宿泊施設の部屋数を増やそうと取り組みを行っていますが、数だけでなく、県内にくまなく専用の宿泊施設を作ることが大切ではないでしょうか。

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