第9弾

ボッチャ × ひうらさとる

ひうらさとるさん(原作)×廣瀬隆喜さん(ボッチャ選手)インタビュー

“老若男女誰でも楽しめるスポーツだということが伝わってほしい”

今回のアニメ制作前、原作のひうらさとるさんが日本代表・廣瀬隆喜選手に取材されました。

初めてボッチャの試合を見ましたが、すごく面白かったです。

廣瀬 どんどんハマっちゃいますよね。

ひうら そうですね。事前に動画で見て勉強していたときは、とりあえず白のジャックボールに寄せればいいのかなと思っていたんですよ。でも、ボールの配置や残りの球数など、
いろいろ考えてプレーされているんですね。教えてもらってようやく分かりました(笑)。

廣瀬 そうです。ただ寄せるだけだと勝てないので、将棋やオセロのように、二手先、三手先まで考えてプレーしています。すごく頭を使う競技ですね。各選手いろんな技を持っていて、例えばピンボールのように壁を使ってボールの動きをコントロールするとか、攻め方も戦術もさまざま。新しい発見があるので、見ていてすごく楽しめると思います。

試合中は相手選手の特徴を踏まえて、戦術を考えているんですか?

廣瀬 はい。相手選手の試合を見たり、試合前にアップで7球投げ合ったりして、相手の攻め方や弱点などを確認してから、いろいろな戦術を考えます。とはいえ事前に頭で考えていても、実際に試合をしてみると、やっぱり想定と違うこともあります。だから、臨機応変に対応しながら、事前に考えていた戦術にどんどん上書きしていくという感じですね。いかに冷静かつ淡々とやれるかといのが、ボッチャで大事なことだと思います。

そうやって考えた戦術がうまくいくというのも、ハマる理由の一つなんでしょうね。

廣瀬 そうですね。実際に頭で描いたとおりにやるのは、結構難しいんですよ。投げ方の癖もありますし。だから、自分の思い描く試合ができて優勝できたときはすごくうれしいし、達成感があります。そういう“自分の納得のいくプレーがしたい”という気持ちが、ボッチャにハマり続けている理由でしょうね。今は、趣味も仕事もボッチャという感じです。

そもそもボッチャを始めたきっかけは何ですか?

廣瀬 もともと、高校で車いす陸上競技をやっていました。卒業後のことを考えたときに、そのまま陸上を続けるか、他のスポーツをやるか、先生に相談したんです。そこで「ボッチャっていう競技があるよ」と教えてもらって。それまでは学校のルールでやったことはあったんですが、それを機に正式なルールのボッチャを始めました。高校3年生の夏に日本選手権に出て、それからずっと続けています。

東京パラリンピックに向けて、どんな思いがありますか?

廣瀬 自国開催ということで、これまでのパラリンピックは遠くてなかなか応援に来ることができなかったという方にも来ていただけると思います。皆さんの応援がすごく力になると思うので、そこでベストなパフォーマンスをして、いい結果を残したいですね。

今、特にボッチャは若い選手が増えていると伺いました。そういうボッチャブームが来ていることについては、どう思われますか?

廣瀬 リオ大会での銀メダルがすごく話題になって、多分それがボッチャブームの始まりになったと思うんですよ。今までボッチャを知らなかった方にも知ってもらえたり、イベントをやらせていただいたりして。

ひうら テレビにもよく取り上げられていますよね。

廣瀬 そうですね。街でも声をかけていただくことが増えました。今までなかったことなので、すごくうれしいです。このボッチャブームを継続させるためには、東京パラリンピックで結果を残すことが大事。それに加え、どうしたらもっと試合会場やイベントに来ていただけるかを選手や協会が一丸となって考えていかなければならないと思っています。選手活動も普及活動もすべて地道にやっていくことで、ボッチャブームの継続につなげたいです。

(制作スタッフが)今回、ボッチャがアニメになることについてはどう思われますか?

廣瀬 これまであまりなかったことなので、どんなアニメになるのかすごく楽しみです。アニメを見て、こういう競技があるんだと知ってほしいですね。そこで楽しそうと思ってもらえれば、実際に試合会場に見に来ていただけると思うので。そんなふうにアニメとボッチャがうまく連動していけばいいなと思います。

ひうら ありがとうございます。面白い作品になるように頑張ります。

本日の取材は以上になります。ありがとうございました。


取材後、ひうら先生に感想を伺いました。

実際にボッチャを体験されてみて、いかがでしたか?

ひうら 全然思ったとおりのところに投げられなくて、難しかったですね。自分でやってみると本当にムダな球が多くて(笑)。6球ってすぐ終わるな、と思いました。でも、実際にやった方がルールも理解できますし、ボッチャの面白さが分かって、すごく楽しかったです。選手の皆さんは、狙いどおりの場所に球がいくので、トップ選手のすごさを改めて感じました。

こういうアニメにしたいというイメージはありますか?

ひうら 自分が体験して感じたボッチャの面白さと分かりやすさを表現したいですね。パラスポーツってどこか健常者には入りづらいようなイメージがあるじゃないですか。そうではなくて、老若男女誰でもできるスポーツだということが伝わるアニメにしたいです。

廣瀬選手のお話にもありましたが、アニメとボッチャがうまく連動していけばいいですね。

ひうら そうですね。アニメをきっかけに、自分でやってみるとボッチャの面白さがより分かると思います。そしてプロの選手のすごさを感じてもらえると、実際に試合を見に行きたいと思ってもらえるはず。そんなふうに、つながっていけばいいですね。

本日はありがとうございました。