第1弾

高橋陽一 作 ブラインドサッカー

テーマ曲・OKAMOTO'Sインタビュー

“サッカーとバンドのライブは、すごく近い”

今回、OKAMOTO'Sは、「アニ×パラ あなたのヒーローは誰ですか」ブラインドサッカー編のテーマ曲「Turn Up」を手がけられたんですね。

ショウ この曲は、今回のアニメを意識しながら、ブラインドサッカーを主題として書き下ろしました。もちろん、ブラインドサッカーはプレーしたことがないですし、観戦したことさえありませんでした。ただ、次の瞬間に何が起こるかわからない中で勝負したり、自分の行動で目の前の人を楽しませたりするという意味では、サッカーとバンドのライブは、すごく近いのではないかと、今回の曲作りを通して感じました。俺にとって最初のライブである学生時代の文化祭でのステージは、いまだにそれがバンドを続けるもととなるようなエネルギッシュな体験でした。そんな自分の人生に意味をもたらすこともある“ライブ”のことを考えて作った歌詞や曲が、アニメに相乗効果をもたらしてくれたらいいなと思います。

曲作りの際、今回のアニメやブラインドサッカーのどういった部分にインスピレーションを受けましたか。

ショウ まずひとつは、ボールの中の鈴や選手・ガイドらの声などを頼りに“音だけでサッカーをする”ブラインドサッカーに対する驚きです。競技に対して何の知識もない俺からすると、「そんなことができるんだ!」と大きな衝撃でした。もうひとつは、“一寸先は闇”という見えない状態から一歩を踏み出すこと。小さい頃に目をつむって歩いてみたりするじゃないですか。そうすると、本当に一歩先さえも怖い。さらに5歩、10歩と進んでいくと、恐怖心がどんどん芽生えてくるという経験を思い出して。こういう経験や自分の生活とブラインドサッカーが結びついて曲になったとき、思いが乗った楽曲ができるのではないかと思いました。

曲を作る上で核になった言葉やキーワード、コンセプトはありましたか。

ショウ 俺の中でひとつテーマとして持っていたのは、「ああ、俺、生きてるな」と実感できる高揚の瞬間を、曲の中で表せたらいいなと。曲名の「Turn Up」も、スイッチがオンになるなど、前に進むイメージの言葉です。ギターのコウキがたまたま仮タイトルで付けていたのですが、ちょうど“高揚感のスイッチを入れる”というイメージが湧いてきてすごくいいなと、曲名にそのまま採用しました。また先ほども言ったように、ブラインドサッカーは目が見えない闇の中で一歩を踏み出して、右に進むのか、左に進むのかを自分で選択していきますが、その瞬間ごとの勝利を繰り返していくことが、全体の勝利につながっていく、それはすごくライブに似ているな、と自分とブラインドサッカーとの共通点を探し始めたときに気付きました。

自分がどう動いて、バンドがどういう音を出したら、目の前のお客さんが喜ぶかはわからない。いくらしっかりと準備をしてライブに挑んでも、その瞬間に全力を出しきることができなければ「なんだ、こんなもんか」と思われて終わってしまう。でも、自分の全力を出しきれたときには、ものすごく興奮して生きていることを実感しますし、勝負に勝ったという気持ちになるんです。だから、ライブをするということや、ライブが自分にとってどういう場所なのかを言葉にして歌ったら、ブラインドサッカーに通ずるものがあるのではないかと思いました。

ブラインドサッカーそのものを歌ったわけではなく、自分と競技との共通点を探して作った曲だからこそ、「声をあげよう」「わめけ」「ミラクル」といった“ライブ”をイメージできる歌詞が出てくるんですね。

ショウ まさにそうです。俺にとって、ライブで目の前の人を楽しませることができて、「ああ、生きてるな、俺」と感じられることは、とてつもない喜びです。なので、その部分を歌詞や曲として表現することができたら、ブラインドサッカーの与える興奮についても歌えていることにつながるなと思いました。

最後に、バンドとして音楽活動をしている自分たちとブラインドサッカー選手とが近いと感じる部分を教えてください。

ショウ 当たり前のことですが、音は目に見えない、ただ空気が震えているだけなんです。でも、その見えない何かである「音」に導かれて、とてつもないエネルギーを発信するという点においては、バンドや音楽が持っているエネルギーと、ブラインドサッカーの選手たちが追いかけているものは似ていると思います。

本日は、ありがとうございました。