シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

スズキ[4期生]

いつか28祭やろうね

 私が18祭に参加したのは、大学1年生のときです。大学でデザインを学び始めたばかりの時に1人で応募をすることを決め、習いたての知識で応募作品をつくり、1000人のうちの1人に選んでいただくことができました。今思うと、物凄くエネルギーに満ちていた頃だったと思います。それと同時に、何者かになろうと自分の在り方を模索し、内心焦っていました。

 18祭の練習会では、勇気を振り絞って手を挙げ、皆さんの前で「デザイナーになる」という夢を発表しました。また、渡された歌詞とその時の心情が重なりその場で泣いてしまったことや、人の輪になかなか入っていけなかったことを今も覚えています。本番は、自作のTシャツを着てステージに立ち、その場にいる全員で1つのものを作り上げていく特別な空間に、自分の持つエネルギーを全て出してきました。そして、私が想像していたよりも多くの人と会話や練習をし、交流を深めることができました。今でも、あの時一緒にいた人たちと繋がりがあります。

 それから約3年、今は大学4年生になり、つい先日、グラフィックデザイナー職として内定をいただくことができました。来年の春からデザイナーになります。まだスタートラインに立つ権利を貰えたに過ぎませんが、私のデザインが皆さんの目に触れ、心を動かせられるよう、この先も一歩ずつ進んでいきたいです。

 3年前の何者かになろうともがいていた時と、今の自分に実のところ大きな変化はありません。今も日々が不安で、焦って、自分なんか…と思います。でも、そんな自分を「しょうがない。そう思うのだから。」と時々受け入れられるようにはなりました。それは、3年前と比べた時の小さな変化かもしれません。自分が嫌いで、「みんな」の中で埋もれて見向きもされないのではないかという恐怖から、「何者か」に変わろうとしていたけれど、かなり難しいことをしようとしていたのだと思います。

 18祭を通して、1人1人にストーリーがあり、その中で懸命に進もうとしている人たちの姿をこの目で見てから、「私なりの戦い方」に焦点を当てられるようになったことは私の大きな財産です。きっとこの先もたくさん失敗します。たくさん間違えると思います。その度に自分を責めると思います。それでも、私なりの戦い方で道を切り開いていきたいです。

 そして、台風による延期などで1000人に選ばれたのに参加できなくなってしまった人たちが多くいたことを未だに悔しく思っており、当時、参加した人たちと「いつか28祭やろうね」と話したことを時々ふと思い出します。仮に28祭でなくても、いつか、本当に実現させたいと思っています。それほど、18祭での経験と「Philosophy」は私にとって大切で、今を前に進めるための原動力になっています。心の底から、18祭に関わる全ての人たちへ感謝を伝えたいです。本当にありがとうございます。

 この先もずっと18祭が続き、多くの人の心に届くことを願っています。