シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

りょうすけ[3期生]

コンプレックスを愛そう!

 僕は吃音(きつおん)症で、小さい頃から友達とコミュニケーションを取ることが苦手でした。

 元々18祭の存在は知っていましたが、まさか自分が参加するとは思っていませんでした。大学受験を控えた高校3年生の春、大好きなRADWIMPSが18祭に出演決定したことを知り、親と話し合い応募することに決めました。(周りの生徒は完全に受験に集中していましたが、今となってはこの選択をして本当に良かったと思っています。)

 工夫を凝らした動画を撮る時間は無く、とにかく今のありのままの自分を表現しようと、吃音を持っていることを、声を吃(ども)らせながら話し、大好きなRADWIMPSの『オーダーメイド』を歌いました。

 就活で撮った面接動画は何度も何度も撮り直す必要があり、ストレスでした。けれども、18祭の応募動画は、ありのままを表現できる機会であり、今思うととても貴重なことだったなぁと感じてます。パフォーマンスで歌を歌ったのも、吃音症でも歌は吃らないよ!!っていうのをアピールしたかったのかもしれません。

 その後、出演決定の連絡を聞き、とにかく喜びました。18祭はもう4年前の出来事ですが、何があったかをかなり鮮明に覚えています。みんなで万歳千唱したあの時の迫力は、流石に忘れられません。

 そして、自分に自信を持って行動しよう、コンプレックスを愛そう。という気持ちになれました。今でも連絡を取り合う仲間ができたというのも、18祭に参加して本当に良かったと思うことの一つです。

[18祭を終えてからの話を少しだけさせていただきます。]

 あの日、みんなで歌ったのが楽しすぎて、大学ではアカペラサークルに入りました。たまたま公演を見たのがキッカケですが、入ろうと思ったのは18祭のおかげです。200名規模の大きなサークルでありながらも、みんな仲良く、とにかく楽しいサークルです。熱中していたらいつのまにか代表になっていました・・・笑。大学4年生になった今でも続けていますが、やはり一番楽しいのは全体曲ですね。同じ熱量を持った全員で歌声を披露するのは最高です。

 就活も無事に希望するところの内定を頂けました。

 現在の自分について軽く説明させてもらいましたが、決してコンプレックスであった吃音症が治ったわけではありません。サークルの代表経験でも苦労するところがあったし、就活では自己紹介で自分の名前を言うたびに声を吃らせていました。

 それでも、僕は前へ進みました。進めたのは、コンプレックスを愛せていたからだと思います。『吃音症だからできない』ではなく『話が苦手な子の気持ちが理解できる』『別の分野で差をつけよう』と脳内で変換しながらポジティブに前に進めたことが、今の自分に繋がっていると思います。

 どんな時にも自信を持って前へ進めるきっかけを与えてくれたのは、18祭です。悩みながらも、あの時に動画を出した自分を褒めたいです。18祭は、必ず人生にとって大きな1ページになると思います。迷ったら、今の自分をありのままに表現してみてほしいです。とにかく動画を送ってからがスタートです!