シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

もえ[3期生]

18祭はずっと私の味方

 思っていることをそのまま書きます。要約すると、「18祭は自分にとってえげつない成功体験でした。それはこれから先何があってもずっと私の味方でいてくれると確信しています」という内容です。

 22歳の就活生になりました。進路で悩んだ時期もありましたし、今も明確で立派な夢があるかと聞かれたら自信はないです。ただ、18歳の私があの時一番頑張っていた事でのパフォーマンス動画を見て、評価して、「あ、いいな」って思ってもらえたという事実が消えないことは、ずっと背中を押してくれています。もしアーティストがRADWIMPSではなかったとしても、自分以外の誰かが忖度なしに自分を認めて肯定してくれた事実は、私にとって想像以上の糧になっています。

 私が参加した時、やっぱりRADWIMPSが好きだから応募したという人が多かったです。それでもいいと思います。私は、アーティストが誰であろうと18歳で18祭に出ると決めていました。誰にも相談せずに応募しました。高校生活最後の文化祭と本番の日が被って、学校を休んで参加しました。迷惑をかけながらも、先生も理解してくださって、家族や友達も受け入れてくれての参加でした。みんなが文化祭の話をするたびに後悔するかとも思いましたが、一度も後悔していません。自分でもびっくりします。

 たくさんの人が見てくれて、感動したと言ってくれました。次の年には、私が出演したことで18祭を知った友達が応募して参加してくれました。18祭で、いろんな人のおかげで自分が成り立っていることにも気づけました。その年は、北海道で地震があって、来られなくなってしまって悔しい思いをしている人のために、みんなでRADWIMPSの「セプテンバーさん」を歌おう、と提案してくれた子がいました。スタッフの方もその場の提案を叶えてくれました。あったかい空間でした。セプテンバーさんは私にとって特別な歌です。

 18祭そのものが具体的な職業や夢につながった経験は私にはありませんが、18祭の熱量と一体感は忘れません。余計なことを考える前にまず「そういえばなんでもできるんだった」と思うようになりました。大人になるにつれて、怖いことや背負うものが増えて、何かと理由をつけて挑戦を避けるようになると思います。自分自身の気持ちの中でも実感します。世間知らずなほうが怖いことも知らないし、その分不安になることも少ないからだと思います。ただ、その不安を受け止めた上で「でもわたし18祭出たしな、無敵なんだよなー」って恐れながらも飛び込めるようになりました。小さなことでも「やらない後悔よりやった後悔」を実行できています。18祭に応募した時も同じ気持ちでした。後悔なんて微塵もなかったです。

 音楽は今も好きで、ライブやフェスに行っていろんなアーティストの歌を聴くと、感動したり楽しくなったりします。演奏している本人たちが書いた歌詞だから響くものがあると思います。RADWIMPSが書いた歌詞に私たちからインスピレーションを受けたものがあるというのはすごいです。すごいとしか言えませんがそのくらい心に残っています。

 18祭はいろんなことで揺らいでいる世代だからこそ作れるものだと思います。自分と同い年の仲間を1000人同時に見ることが、まずなかなかありません。日本中から集まって、みんな不安や悩みを抱えて、今日ここで一緒に歌ってるんだと思うと、感じたことのない形容しがたい気持ちになりました。

 でも、18歳当時の私も、22歳になった私も、18祭に出たことがない人が18祭を見て「若いっていいな」「おじさんには無理だ」とは思って欲しくありません。18歳だから作れるものであっても、挑戦に遅いことはないと感じたからです。18歳にしかできないことがあるように、22歳の私にしかできないこともあるし、40歳の人にしかできないことがあると思うんです。18歳の小娘ができたんだから大人はもっとできるよ、って思ってほしいです。

 同世代の子たちに刺さるだけじゃなくて、その親世代である大人たちにも、親目線じゃない、対等な目線で伝わるように歌いました。今もそんな思いです。年齢に縛られずに挑戦することの凄さ、「やってみれば意外とできんじゃん」という感動をみんなが信じられる世界になってほしいです。あの時無敵だった私、という揺らがない過去のおかげで、今の私もまた無敵でいられます。