シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

可歩[4期生]

みんなとの出会いがあったからこそ…

 私が18祭を知ったきっかけは1回目のONE OK ROCKのオンエアをたまたまテレビで見た時です。当時世間では選挙権年齢の引き下げの決定や成人年齢が引き下がるかもしれないと話題になってた時でした。18歳は大人であると認める人達や反対にまだ子供であると保守的な人達が混在していた世の中だったと思います。私自身もあと数年で18歳になり自分はどうしたらいいのかと迷っていました。そんな中で大人ばかりでなく高校生(18歳世代)にも目を向けてくれ、私たちの声を届けることができる場所があることを知ったとともにみんなでの合唱に心を打たれました。

 [Alexandros]18祭の代にたまたまTwitterで募集しているのを見ました。私はクラスで決め事をする際、余ったのをいつも選ぶことが多いため自らやりたい!という気持ちを外に出すことはあまりなかったです。そのため、応募をしよう!と決めるのに時間がかかりました。しかし、私もあの場に立つことができれば何か変わることができるのかもしれない、中途半端な私を少しは変えることができるのかもしれないと思い応募を決めたことを覚えています。

 応募する際の動画でしたが「自分だけのカッコよさ」がテーマでした。私は当時部活で楽器を頑張っており、今自分がかっこいいと胸をはれるものは楽器を演奏している自分でした。上手に弾けるのか、ちゃんと思いは届くのかと何度も撮り直しました。動画ひとつにすごい時間をかけたことが私の18祭への初めの一歩でした。あの動画応募があったからこそ私はちゃんと自分のやりたいことに挑戦できている!と感じることができました。

 18祭当時、私は人に夢を語るのは恥ずかしいと思っていたため中学校の卒業文集以降、誰にも自分の夢を言ったことはありませんでした。18祭の練習会に参加して一人一人自分の夢を語っていくときみんながこれ以上ないくらいに輝いていたのを覚えています。今まで誰にも言えなかった私が自分の夢から逃げていることに気づき、急激に恥ずかしくなったことも覚えています。今まで夢を語る人を少し批判するように見ていましたが、夢を隠してコソコソしてる自分が1番恥ずかしいということに気付いた瞬間でした。妬ましく思っている自分を一生懸命隠していたんだなと今になって思うことができます。

 当時、私がみんなに言えなかった夢は「役者」と「ディズニーのクルーズ船で働くこと」でした。昔からドラマや映画を見ることが好きで自分ではない誰かになりきり、役を生き生きさせている俳優さん方を見るのがとても好きでした。当時の自分は自分以外の誰かになれば本当の自分を知ることができるのではないかと考えており、役者という夢を描いていました。

 ディズニーのクルーズ船で働くことはある日たまたま見たテレビで、夢の国の中では船で世界中を旅しながら味わえることに感動しました。元々小さい頃から英会話教室に通っており、将来は英語使える仕事に就きたいとは思っていたので、英語を勉強するモチベーションのひとつとなっていました。

 練習会や18祭本番当日は同世代なのにこんなにも頑張っているんだ、こんな考えを持っているのかと刺激を受けました。正直人間って、その時は感化されても時間が経つとどんどん薄れてきてしうものです。しかし、あの時みんなとの出会いがあったからこそあの子は今も頑張ってる、あの時語っていた夢を叶えている、私も頑張らなきゃと思い続けることができています。

 私は大学入学時にコロナウィルス感染拡大により、入学式も対面授業もなかった年でした。キャンパスライフに憧れがあったのですごく絶望しました。歳が一個上の人たちまでは入学式も対面授業も全部普通のように行われていたのに…とすごく妬ましかったです。そんな状況でも私は自分の輝ける場所をずっと模索し、新たな自分の夢を見つけることができました。それは「誰かの役に立ちたい」です。18歳の頃と比べるととても抽象的になってしまったと思います。でも確実に言えることは、今の夢は私が生きていく限りずっと叶えたい夢であるということです。

 今年で大学3年生になり、春から就職活動を視野に入れ始めました。そこで私は大きすぎる壁にぶつかりました。果たして「誰にどんな役に立ちたいのか」という問題です。医者になれば体調が悪い人の役に、商売人になればその商品を欲しい人の役に、アーティストになれば自分のアートをみて元気が付く人の役に、など役に立つことはどの職業でもあると思います。その中で私は一体どんな立ち位置に立ちたいのかが全くわからないです。私はこのままでいいのかとずっと考えています。18歳の時にはこんなに悩んだことはなかったと思います。18歳の頃、世界は自分中心に回っていました。選挙権があり、車の免許も取ることができます。自分はもう大人になったんだと思うと同時に何かあれば大人のせいにもできる、と時と場合により都合のいいように考えていました。考え方が子供ですよね…。

 21歳になった今、私は社会に出るために初めて世の中を知ろうとしています。社会に出るための一歩として今年の夏から大学を休学しワーキングホリデーに行く予定です。18歳頃の自分は身一つで海外に出ようなんて考えてもなかったです。我ながら18歳の頃より成長してると感じました。ワーキングホリデー先で沢山の人と関わってこれから自分は何がしたいのかをしっかりと見つけていきたいと思います。完全に答えを見つけることは簡単なことではないですが、きっと自分の道を拓くことの出来るヒントが得られると感じています。まだまだ私は「自分だけのかっこよさ」を求め進み続けます。

 でも、正直出発前から不安に押しつぶされそうになる時もあります。そんな時はいつも18祭のYouTubeや録画を見て喝を入れ直してます。”I am not afraid”この言葉に毎回勇気付けられています。恐れていたって何も始まらない、恐れないという気持ちから持っていこうと思えています。

 私は参加当時の写真をSNSの投稿に残しています。何より最近嬉しいことは、大学で知り合った子達が「18祭参加したの?いいな!」や「あれ見ると勇気出るよね」、「私は応募する勇気出なかったんだよね、凄いね!」と言ってくれる子がちらほらいます。その話題から仲良くなることもあります。あの時私は勇気を出して応募して良かったと思います。