シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

りさ[3期生]

18歳を自分に刻む

 4年経ちましたね。大学1年生、ギリギリ18歳で参加していた私は、今年の春から社会人になりました。会社員として、毎日働いています。

 4年前、18歳。真っ白で一旦の自由と社会的立場を保障された学生4年間に謎の無敵感を持っていつつ、どこにでもあるような失恋でつまずいて、自分の価値を見失っていたような気がします。今よりも遥かに幼くて、世界が狭くて、無邪気で、それでいて無敵。まず初めに思い出したのは、そんなことです。

 あれから4年間、当時は想像もしてなかったほどの苦しみも幸せもありました。大きな大きな宝物だった9月9日も、少しずつ思い出の一部になって、生き延びるための栄養は足りなくなって、心はまた他の特別を求め続けました。

 これを大人になったと言うのなら、きっとそうなんだと思います。ああ、返せるメッセージ何もないなあって、思いました。

 ただ、ただ、それだけだったっけ、って。
 もっともっと大きなものを感じたはずだって。

 応募動画で私は何をしたんだっけ。
 練習会の日、みんなの前で何を伝えたんだっけ。
 当日、あの日あの場所で、何を感じたんだっけ。
 放送日、どんな思いでテレビの前にいたんだっけ。

 応募動画、思っていたよりも私はちゃんと私を知っていました。
 練習会、当時語った夢とはだいぶ違うところにいます。
 ただ、最後目指すものは実は同じでした。

 当日、生で聞いた1000人分の歌声、生で見た1000人分の万歳、求めた正解、震えたこと。終わって欲しくなかったこと。「俺だけだろ」って本気で叫んだこと、「あ」に想いを込めて!ってゆっきーさんに言ってもらったこと、「届け」って、それだけを願ったこと。

 放送日、思っていた以上に色んな人から連絡が来たこと。多くの人に届いたんだと実感したこと。18歳ってすごいんだって思ったこと。

 ただの思い出にしては鮮明で、強く輝いていました。
 たった1日にしては重たくて、とても大切でした。

 そして、私はまだ、あの日の本気に胸を張れました。あの日の感動を、素直に大切にすることができました。目を背けたくなる輝きではなく、その感動の先に今の自分がいると胸を張れました。

 それが、とても嬉しいです。

 22歳。頑張って頑張って毎日なんとか生きて生き延びて、思っていたより自分は弱くてちっぽけだったし、たくさん人を傷つけたし、無敵の4年間はすぐ終わったし、なんなら半分コロナだったし、就活はアホみたいに苦しいし、必死で入った会社だって嫌なことはたくさんあるし。

 けれど、18祭を、自分が1番輝いている日だと、18歳が無敵な歳だと胸を張る当時の自分に、そこから4年生きて、また色々やって考えて変わった今の自分も、今1番好きだよと、まっすぐ目を見て言い返せる。

 当時の洋次郎のメッセージ、「今の自分の姿を1番かっこいいと思って欲しいのは、18歳の自分なのかもしれない」が、わかる気がします。

 18祭の意味は、「18歳」を大切にできることなのかなと思います。いつか私に子供ができてもきっと、18祭を経験しなかった私よりも、大切にできるような。

 いまだに、濡れた瞳で明日を目指す意味は見つからないです。
 〇〇に入れる言葉も、正解の基準も宿題にしたままです。

 ただ、今日も明日も、一歩ずつ一歩ずつ生きてます。