シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

流太[3期生]

18祭で散った火花から始まった

 あの頃、僕はずっと熱を探していました。

 何かしなきゃと焦るのに、何をすればいいか分からないまま、無気力に大学で授業を受けながら、割のいいバイトなんかを検索していました。誰にも理解されないと思っていたし、またどこかでそう望んでもいて、億劫な人間関係の中で、18歳の生活は生ぬるくなっていきました。そんな時に見つけたのが、その年の18祭開催のニュースです。

 その前前年の18祭の放送をリアルタイムで見ていたことを強く記憶しています。画面の中の、自分と近い年齢の彼らの瞳の奥で揺れていた炎は、僕が何より探し求めていた熱でした。

 あんな風に叫んでみたい。応募を強く決意します。

 誰にも負けたくないと思い、家の中を絵の具まみれにしながら巨大な絵を描きました。友人に楽曲制作を頼み、映像編集について学び、1ヶ月かけて応募動画を完成させました。

 その体験をきっかけに、僕は大学を辞めました。目標のために試行錯誤するその時間がひどく心地よく、そういう生き方をもっとしたかったからです。今のままじゃダメだ、そう強く叫びました。

 その後二年半かけて予備校で美術を学び続け、現在は東京藝術大学で日々作品を制作しています。周りにも同じように熱意を燃やす同世代が多く、共に喜び、焦り、奮い立ちながら生きています。そして思い返してみれば、今身に宿る炎は、紛れもなく4年前の18祭で散った火花から始まっていました。

 22歳になった今、もう僕らは少しずつ、与える側に回っていくのだなと感じます。学校教育が最たる例ですが、今までは年上の大人たちから知識や経験などを与えてもらって生きてきました。しかしこれからは同時に、次の世代にそれらを届けていく必要があります。

 自身の制作やその生き方を通して、誰かの生活や精神を支えたり、社会をより良くしていく役目を務められることを目指します。また今年の18祭が、誰かの心に熱を生むきっかけとなることを望みます。応援しています。