シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

杉本真子[1期生]

先生1年生。不安と夢の間で

 きっかけは友人の誘いでした。特にONE OK ROCKに詳しいわけでもなく、聞いたことあるなぁ程度で。周りとの熱量の違いに申し訳なく思っていました。でも、楽しそう!っていう思いが強くて、大阪から8人のグループで参加しました。

 結果、これが本当に楽しかった!同世代の仲間たちの夢、希望、キラキラしたものに触れて、尚且つ葛藤や不安があるのはみんな一緒で。心強いというか、あぁみんな悩んでるんだな、私だけじゃないんだなって思えて、そんな中で自分の信念を突き通すぞ!というやる気に満ちている仲間の姿を見て、元気を貰ったのを覚えています。

 私が本領を発揮したのは、その2年後の裏ボランティアです。今度は自分からやりたいと思って、当時の仲間を誘って応募しました。あの時の自分のような、なんだか将来が不安で、子どもと大人の間に挟まれた18歳世代の後輩たちにとって、少しでも力になれればという思いで参加しました。

 「私にできることをしよう!」と思ってカメラを構え、たくさん写真を撮りました。今があるからこその未来がある、今しか残せない記憶があると思って。光栄なことに、そーたろーと一緒にボランティアリーダーを任せてもらえて、私自身すごく貴重な経験になったし、後輩からもたくさんのエネルギーを貰いました。ボランティア仲間との関係も深まり、今でも連絡をとり合います。一生の友人ができました。

 私はもうすぐ25歳になります。

 昨年の夏に受けた教員採用試験に合格し、今年から正式に中学校の教員になりました。小学生の頃からの夢がようやく叶い、スタートを切った感じです。

 18祭を経験して今思うこと、悩み、夢、たくさんあります。

 まずは、日々勉強です。学校には色んな子どもたちがいて、その背景に色んな環境があって。みんなに同じことをしたとしても、みんなに同じ熱量で届くとは限りません。私は美術の教員なので、1人でも多くの子が、少しでも楽しい!と思ってくれるような授業がしたくて頑張っています。

 実際はやってみてもうまくいかない事の方が多くて、先輩先生との経験の差を感じる。自分の引き出しの少なさを痛感する。どれだけ丁寧に教えても、思いが伝わらないこともあります。

 ずっと夢にみて、頑張って入ったこの世界だけど、やっぱり私向いてないかもな、合ってないのかもな、と思う自分がいます。夢の原点に戻ると、私は絵を描くことが好きで、写真を撮ることが好きで、人の笑顔が好きなんです。

 自分の人生後悔はしたくないなと思っています。教員として働きつつ、好きなこともしたい。仕事とは関係ないところで絵も描くし、写真も撮るし。でも何処かで仕事と趣味を切り離せない自分がいて。ずっと葛藤しています。

 私の今の夢は、歴史に名前を残すこと!なんて、ちょっとかなりオーバーで広すぎるのですが。「私、生きてる!」っていう実感が欲しいのかもしれません。生涯絵を描き続けていたいし、絵本とかも出してみたい。アーティストのCDジャケットのデザインもやってみたい。とにかく人の役に立ちたい。いつも笑っていたい。

 そんなことを思って生きています。