国連「ガザ地区に5日間支援物資が入らず」 人道状況の悪化懸念

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くガザ地区で、国連は10日、5日間支援物資が搬入されていないことを明らかにしました。イスラエル軍は100万人以上の住民が身を寄せる南部ラファに攻撃を続けていて、人道状況のさらなる悪化が懸念されています。

ユニセフ=国連児童基金は10日、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘で100万人以上の住民が身を寄せる、ガザ地区南部のラファから担当者がオンラインで会見を行い「ガザ地区には5日間、燃料や支援物資が搬入されていない」と訴え、人道支援活動が停止するおそれがあると明らかにしました。

また、OCHA=国連人道問題調整事務所やWFP=世界食糧計画によりますと、国連が提携しているガザ地区南部の12のパンの販売店のうち燃料や在庫の不足で8か所が閉鎖し、残る販売店も13日には在庫が尽きるとしています。

さらにWFPなどが配布する食料も11日には底をつく可能性があると警告していて、人道状況のさらなる悪化が懸念されています。

こうした中、アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は10日、イスラエルに対し、人道支援物資の搬入ができなくなり、人々がさらに苦しんでいるとして一刻も早く検問所を開放するよう求めました。

また、イスラエル軍がラファへの攻撃を続けていることについて限定的な作戦だという認識を示した一方で、「われわれは懸念を持ちながら見ている。罪のない人々の命を、今以上に危険にさらすことがないように慎重かつ正確であるよう強く求める」と述べました。