クローズアップ現代 メニューへ移動 メインコンテンツへ移動
2020年4月14日(火)

新型コロナウイルス 救える命を救えるのか  ~医療崩壊リスク・現場の訴え~

新型コロナウイルス 救える命を救えるのか  ~医療崩壊リスク・現場の訴え~

新型コロナウイルスへの対応に追われる医療現場では、切迫した状況が続いている。患者が集中する病院は、「このままだと救える命が救えない」「自分たちだけでは限界がある」と危機感を訴える。さらに、高血圧などの高齢者にも危険が・・・。感染が怖くて病院にかかることを自粛してしまい、「数日で心肺停止になってもおかしくなかった」(医師)という人も出ている。どうすれば医療崩壊を防げるのか、現場からの訴えを伝える。

出演者

  • 大曲貴夫さん (国立国際医療研究センター病院 国際感染センター長)
  • 武田真一 (キャスター) 、 合原明子 (アナウンサー)

“ウイルスとの戦争状態” 現場の訴え

都内にある地域の拠点病院、日赤医療センター。
新型コロナウイルス専用の3つの病棟は、すでに満床となっています。

この日も、感染の疑いがある80代の男性の受け入れ要請が入りました。
しかし…。

日本赤十字社医療センター 救急科部 近藤祐史医師
「受け入れるものは頑張って受け入れるんですけど、すぐ埋まっちゃう。僕たちもベッド空けて、退院が出て、空けても空けても午前中ぐらいで埋まっちゃう。」

無理に受け入れても適切な治療ができないため、要請を断らざるを得ませんでした。すぐに、ほかに受け入れ先がないか問い合わせます。

日本赤十字社医療センター 救急科部 近藤祐史医師
「どこも望み薄。」

高齢の患者。命を救うには一刻を争います。

東京消防庁と協力し、4時間かけて120件以上に問い合わせ。しかし、受け入れ先は見つからず、東京消防庁に任せるしかありませんでした。

日本赤十字社医療センター 救急科部 近藤祐史医師
「もどかしいですよね。具合が悪いとわかっているのに取れない。受けたところで、どうもしてやれない。部屋がないので、どうもしてやれない。うちの若い医者たちも、みんな相当ストレス感じながらやってると思います。」


会議用の部屋に設置された、この病院の臨時対策本部。

「両方(検査した2人)陽性ですか?本当ですか?」

すでに満床にも関わらず、保健所やほかの病院からの問い合わせや連絡が1日およそ40件あります。感染症対策の中心となる都内の指定医療機関の病床は、すでに満床状態。都は日赤医療センターのような指定医療機関以外の病院に病床の確保を段階的に要請。しかし、すぐに埋まってしまう ぎりぎりの状態です。

この病院では通常の医療を続けながら、新型コロナウイルスへの対応を迫られています。緩和ケア病棟の患者を別の病室に移し、そこを専用のフロアにしました。ほかの患者やスタッフに感染が及ばないよう、徹底したゾーニングも行っています。

もともといた感染症の専門スタッフは6人。

緩和ケアを担当していた看護師や、専門が違う医師などに感染症対策を指導。対応できるスタッフを1人でも増やそうとしています。

「これ(マスク)は捨てるんですか?」

「こちらに入れていただく。」

感染症対策を担うスタッフは重要な判断を24時間どこでもできるよう、情報を共有するシステムを整備しています。

日本赤十字社医療センター 呼吸器内科 出雲雄大医師
「外側の所にすりガラス、淡い影がたくさん出現する。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)、特に外側に多く出てくることが特徴的。」

日本赤十字社医療センター 呼吸器内科 出雲雄大医師
「ふだんギリギリのところでやっている医療の、さらに上乗せして対応しなければならない。非常に今、医療として ひっ迫しているところ。これはまさに、ウイルスとの戦争状態。」


ウイルスとの戦い。感染拡大は止まりません。

「東京都から、重篤、重症が8床で中等症は30床。」

「30!30は無理?」

先週、都から、現在の病床を1.5倍に増やしてほしいと要請が入りました。

ただちに開かれた幹部会議。

院長
「中等症については30床、これで問題ないということで。そうでしたよね?」

要請に応えるため、病床をどこから捻出し、スタッフをどの科から集めるかなど、検討を始めることになりました。


ぎりぎりの体制に追い打ちをかけているのが“医療物資の不足”です。

日本赤十字社医療センター 呼吸器内科 出雲雄大医師
「このプラスチックガウンがだんだん数が減ってきている。」

「そうしますと、今度はプラスチックエプロンで闘わなきゃいけなくなる。前は当然防御できる訳ですが、こちら(腕)の方が…。」

中でも、差し迫っているのは医療用マスク。通常は、患者を診るたびに新しいものに取り替えます。しかし、今は衛生管理を徹底して、1日に何度も使わざるを得ません。

それでも、今月末で底が尽きてしまうといいます。

日本赤十字社医療センター 呼吸器内科 出雲雄大医師
「闘う武器がなくなってしまう。本当になくなってしまった場合に、私は自分の部下、一緒に働いてくれる看護師さんに『なしでいって下さい』とはとても言えない。医療崩壊になってしまう。」


終わりが見えない戦いが続く中、スタッフの負担はピークに達しようとしています。

日本赤十字社医療センター 川上潤子看護部長
「『自分たちが もしかして』という不安が拭いきれないところが絶対にある。『本当にこのまま家族と一緒に生活する家に帰っていいんだろうか』とか、気持ちの面では、かなり皆さん疲れているんじゃないかな。」

この日、スタッフの心のケアを本格的に進めるチームも発足しました。
院内の臨床心理士や看護師などが不安や悩みを聞き取り、少しでも重圧をやわらげようという取り組みです。

日本赤十字社医療センター メンタルヘルス科 秋山恵子臨床心理士
「ちょっとつついたら割れちゃいそうな風船になっている。はね上がるように。」

メンバーが示したのは、スタッフ全体の心の負担。この1週間で急激に高まっているといいます。

日本赤十字社医療センター メンタルヘルス科 秋山恵子臨床心理士
「私もこんなに自分でもストレスを感じたことない。はちきれそうだけど、ぐっと持ちこたえようとしている。世の中の方々にも受け止めて欲しいし、応援してほしい。避けないでって思います。」

命救う“とりで”重症患者を救う現場の訴え

東京の医療機関がひっ迫する中、患者が隣の神奈川県に搬送される事態まで起きています。
川崎市にある聖マリアンナ医科大学病院。
主に重症の患者を受け入れています。

この日、都内の感染症指定医療機関から重症の患者が転院してきました。人工呼吸器を使った集中治療が行われました。

対策の指揮をとる、救急医学 教授の藤谷茂樹医師です。都内の病院から次々にメールが届いているといいます。

聖マリアンナ医科大学病院 救急医学 教授 藤谷茂樹医師
「ベッドの数が足りなくて、きのうからきょうにかけて東京都からの問い合わせが急激に増えてきている。」

この病院では、集中治療室など11床を新型コロナウイルス対応にしました。
患者との接触をできるだけ減らすため、別室に複数のモニターを設置。

「エアリーク(肺からの空気漏れ)が認められるか教えてもらってもいいですか。」

やりとりを無線で行い、中に入る人・回数を減らすことで院内感染を防ごうというのです。対策の費用は、およそ1億円に上ります。

聖マリアンナ医科大学病院 救急医学 教授 藤谷茂樹医師
「集中治療室というのは、患者の重症度が非常に高い。患者さんが亡くなるかどうかは最後の集中治療室が とりでになる。」

病院では今、「重症患者」ならではの困難に直面しています。治療に多くのスタッフが必要で、期間も長くかかるのです。

「きのう1人急患で入りました。○○病院からの紹介で。ECMO(エクモ)管理になる可能性がある。」

都内から受け入れた患者に検討されたのが「ECMO」(エクモ)と呼ばれる、人工心肺装置による対応です。
血液を取り出して、酸素を加えて体内に戻すECMO。肺の機能を肩代わりすることで、肺自体を休ませることができます。しかし、処置は医師、看護師、臨床工学技士などが6人以上で行う必要があり、その後も複数のスタッフで24時間 見守る体制が必要です。

患者自身の免疫でウイルスが消えるのを待つため、長くて2か月続けたこともあります。


患者が増加を続ける中、病院は集中治療を行うため新たな対応を迫られています。
空気が漏れ出ないよう、特別に作られた「陰圧室」。内部に集中治療を行う11の病床があります。

聖マリアンナ医科大学病院 救急医学 教授 藤谷茂樹医師
「これ作ったんです、突貫工事で。陰圧をつくるために、陰圧の機械を向こうにバキュームを置いている。」

しかし、この日。
市内の病院から、症状が重い患者が転院してくることになりました。
前の日とあわせて2人を受け入れ、残り1床となったのです。

今、この病院では集中治療を行える病床の増設を検討し始めています。

「まず私たちが考えているのは、半年から1年闘う前提でいると。」

まずは4床増やし、15床にする方針です。

聖マリアンナ医科大学病院 救急医学 教授 藤谷茂樹医師
「もうベッド数としては、関東圏内では厳しい状況になっている。集中治療管理が必要な人(重症患者)の数と集中治療のベッド数、それにより助かる、助からない命が決まってくる。」


さらに、この病院は重症ではない人への対応も迫られています。
深夜、搬送されてきたのは、感染が疑われるものの診断がついていない「疑似症」の女性です。

発熱・けん怠感もありましたが検査を断られ、その後、症状が悪化。救急車を呼んだと言います。

入院中の女性に話を聞くことができました。

搬送された女性
「かかりつけの病院に行っていたんですけども、結局はレントゲンも撮ってくれず、採血も何もしてくれずに大きい病院を紹介されたんですけど、保健所の基準があるということで検査ができないって言われたんですね。もう、たらい回し状態になってしまって。」

神奈川県が打ち出した、病床の振り分けのモデルです。本来、この病院が担うのは重症患者に特化した高度医療機関としての機能です。女性は関係する相談窓口に電話したもののつながらず、どの病院でも検査を受けられないまま、この病院にたどり着きました。

検査の結果、女性は感染していないことが判明し、5日後に退院しました。

聖マリアンナ医科大学病院 救急医学 教授 藤谷茂樹医師
「疑似症といわれる方は(神奈川県モデルの)カテゴリーに入ってこない。その患者さんを受け入れる先がない。どんどん今、患者増が起こっている中で、そういう方々がどんどん病院に押し寄せてきたら、もう病院自体がパンクしてしまう。」

救える命を救うために何が必要なのか。
最前線に立つ医師に、さらに詳しく聞きます。

新型ウイルス 医療崩壊を避けるには

武田:法律に基いて特別な対応が必要な感染症は、まず「感染症指定医療機関」が治療に当たることになっているんですが、今回の新型コロナウイルスについては患者が急増しているということもあって、一般病院でも受け入れています。
きょうのゲストの大曲さんは、こちらの感染症指定医療機関の最前線で治療に当たっています。今、いわば第2の防衛線である、一般病院もぎりぎりの状態。大曲さんはどんな危機感を感じていらっしゃいますか。

ゲスト 大曲貴夫さん(国立国際医療研究センター病院 国際感染センター長)

大曲さん:これだけやっぱり患者さんが増えているという状況で、一般の医療機関の先生方、大学病院の、大きな病院の先生方はベッドを確保して頑張って、患者さんを診てくださっています。ただ、先ほど映像にも出ておりましたけれども、そうやって頑張ってベッドを確保しても、どんどん埋まっていくというような状況がありまして。いかにベッドを確保して、患者さんを受け入れていくかということで、そういう意味では本当にぎりぎりかなと思ってやっています。

武田:まさに今、ぎりぎりな状態ということですよね。東京都は対応可能な病床を4000床にまで増やすというふうにしています。また、軽症の人はホテルなどに行ってもらうことも始めていますけれども、一方でVTRにもありましたように、資材や人員の問題も出てきています。この受け入れ体制の増強は間に合うのでしょうか。

大曲さん:私たちは何とか間に合わせるということでやっています。われわれ感染症指定医療機関の人間は数か月前から対応してきましたので、例えば院内感染対策等々もトライアンドエラーで頑張ってきましたけど、これから受けてくださる一般の医療機関の方は、それをすぐにやらないといけない。それは並大抵の努力ではできないといいますか、大変なんです。それを短期間で積み上げながら、ベッドの確保をしていくという意味では、すごくストレスのかかる大変な状況ではあると。

武田:ただ単にベッド数だけを増やせばいいということだけではない、もっとやることがあるということですね。

大曲さん:病院としてちゃんと対応するには、ベッドの数だけではないと。

武田:資材の問題、そして人員の問題もありますね。

大曲さん:そうですね。

合原:こちらのデータをご覧いただきたいんですが、全国の病床数に対する入院患者の割合です。NHKがきのうまでにまとめました。

東京は2000床を確保されているんですが、入院が必要とされる人で すでに98%に達しています。大阪は120%、そして、兵庫が103%と、すでにキャパシティを超えています。福岡や高知もぎりぎりの状況です。大曲さん、地方でも地域によっては病床数が切迫している状況なんですけれども、こうした状況をどのようにご覧になっていますか。

大曲さん:各地域の状況を細かく存じて上げているわけではないんですけれども、恐らく相当大変だと思います。東京でも、もともとベッドの数はたくさんありますけれども、その中でも専門の病床、ベッドの数はものすごく苦労しています。その苦労は計り知れないと思って、私も察しています。

武田:VTRの中では、新型ウイルスに感染した疑いのある患者の救急搬送が複数の病院で受け入れてもらえないという事態もありました。これは私たちにとって本当に不安になる事態なんですけれども、こういうことはなぜ起きてしまうのか、病院側の思い、事情というのはどうなんでしょうか。

大曲さん:先ほど映像の中で藤谷先生がおっしゃってたんですが、コロナが陽性になったという患者さんを受け入れるためのベッドは整備されているんです。ですので、陽性の方はどこかで受け入れてもらえると。ただ、コロナかどうか分からない、疑いがある患者さんの場合には、そういった方々を専門で受け入れるようなベッドが用意されているかというと、そうではないわけですね。そうすると、先ほどのようなコロナの疑いのある肺炎の患者さんがいらっしゃるという場合には、まずは一般の医療機関に受け入れの打診がいきます。でも、一般の医療機関からすれば、もともと受けるだけのベッドは用意していない中に、しかも、自分たちが今まで対処したことのないコロナかもしれないという患者さんを受け入れるということになります。それを急にやれといってもなかなかできないことです。頑張ってやるとなっても、じゃあ院内感染対策はどうするんだという話が出てきます。先ほど申し上げたんですが、それを短期間でするのは非常に大変。急にとってくださいと言われても、医療機関としてはなかなかとれないという状況になってしまうんだろうと思いますし、それが多くの医療機関で起こっているんだろうと思っています。

合原:患者を受け入れられない要因ですが、患者の急増に加えて院内感染への懸念もあります。全国で、院内感染やその疑いがあるとされる病院が相次いでいます。東京・中野区の病院では92人の感染が確認されています。また、神戸や富山でも起きています。

こうした院内感染への懸念というのが、地域の診療所にも大きな影響を及ぼしています。

“受診控え”で命の危機が…

今、院内感染の不安から病院の受診をためらう人が急増。
台東区にあるこのクリニックでは、患者がふだんの半数以下になっています。

山田英明医師
「いまは(新型)コロナが感染が怖くて、ここに来てかかっちゃうんじゃないかということが怖いと。」

受診をためらうことで相次いでいるのが、症状が悪化し、重症化するケースです。

先月下旬に受診した70代の女性。
会話もままならず、呼吸困難の状態でした。10日ほど前から息苦しさを感じていたものの、院内感染の不安から受診できなかったと言います。

山田英明医師
「これが心臓の影です。」

検査の結果、女性は心不全。不整脈も出ていました。
医師は命に関わると判断。設備の整った区外の病院に救急搬送しました。

山田英明医師
「戦慄が走りました。怖いです。かかりつけの患者さんを守る立場から見ると、我慢せず怖がらず、連絡していただければ。」

“受診控え”を減らすには…

感染のリスクを抑えながら、地域の医療をどう守っていくのか。

山下診療所 山下 巌医師
「こんにちは。オンラインの診察を始めましょうか。」

このクリニックで、ことしに入り、利用者が10倍に急増しているのが「オンライン診療」です。アプリなどを利用し、自宅にいながら医師の診断や薬の処方を受けられます。

山下診療所 山下 巌医師
「1回、立ち上がってもらってもいいですか。」

「見えますか?たまにヨタヨタしちゃうときがあります。」

山下診療所 山下 巌医師
「(外出自粛の要請)になってから、そんな感じなんですね。お薬を出しておきますし、また変わったことがあったら遠慮なくオンラインで予約してください。」

利用を終えた患者に話を聞くと。

患者の娘
「外に出ていかなくてもいいし、母が感染してしまった場合、重症化する可能性があるので、そういう所はすごく安心です。」

新型ウイルス 救える命を救うために

合原:このオンライン診療ですが、今週から、初診から認められることになりました。また、薬も初回の診療からインターネットや電話で薬剤師の服薬指導を受けた上で、配送で受け取れるようになりました。厚生労働省では、対応する医療機関のリストというのを都道府県ごとにまとめて公表することにしています。

一方で、これまで当たり前だった、病院に行くということがままならない状況に不安を感じますし、このままだと適切な医療を受けられない人が増えるのではないかと思うんですが、大曲さん、こうした危機感をどう捉えていらっしゃいますか。そして、どうしたらいいでしょうか。

大曲さん:いろんな患者さん、あるいは診察される先生方の声としても、もちろんコロナは心配であると。ただ一方で、自分の持病はどうしたらいいのかと。例えば、血圧の病気がある、血糖値がよくない、あるいは、がんがあるという方々がいらっしゃる。でも、なかなか怖くて病院には行けない。自分の病気も何とかしなきゃいけないということで、非常に葛藤されていることを聞いています。すごく不安だと思います。そういう中で、病院に直接行かなくてもオンラインで診療を受けることができるということは、この状況で考える1つの適切な対応手段ではないかなと私も思います。

合原:オンライン以外だと、どういった仕組みが考えられますかね。

大曲さん:現状である方法では、電話で様子をうかがったりということはわれわれはしていますし、例えば処方箋を出すということもやってはおります。

武田:いずれにしても、新型コロナウイルスの感染の患者さんと、そのほかの病気の方を分けて診察するということがうまくできるようになるといいと思いますけれども、いかがでしょうか。

大曲さん:新型コロナの話に戻すと、現状ですと、やっぱり診療所の先生方からすると、直接コロナの疑いがある患者さんを診るのは怖いという声もうがかいます。そのとおりだと思います。でも、そのときにオンライン診療で、最初のところでお話しを聞いたり、情報を得たりすることはできる。直接会わなくてもできる。それは、ドクター側からしても、あるいは診療所の方々からしても感染リスクが下げられると。どうしてもおかしいと思ったら、検査を受けに行ってもらうようにお願いするということもできるかと。

武田:今回取材した医師の1人は、病院の中の危機感と世間の認識に大きな温度差が生まれていることは怖いというふうに話していました。大曲さん、最後にひと言だけ、いま私たちに向けてどんなメッセージを。

大曲さん:この1週間で、人の動きがだいぶ変わってきたということは伺っています。ただ、現場では、実際まだ患者さんが増えている状況はわれわれも不安に思っています。この状況を変える。皆さま方が行動を制限してくださることによって、患者さんは減っていきます。それで医療は救われていくと思います。

武田:ありがとうございました。