原発事故によって、全住民が避難を強いられている福島県浪江町。番組では震災直後から、町の復興をめざす商工会メンバーらを取材。5年間、折に触れてその姿を記録し続けてきた。「全町民帰還」を掲げ結束した1年目。「帰還」か「避難先への定住」かで揺れた3年目。そして5年目の今は、来年3月の避難指示解除の方針が示され、町民は改めて「選択」と「決断」を迫られている。多くの町民は、早期の「帰還」が非現実的となる中で、今まで「故郷」と一括りで捉えていたものを、見つめ直す必要を感じている。「土地への愛着」「先祖への思い」「隣近所との繋がり」「家族との暮らし」。結局、何を守り、何を諦めるかで“家族のありよう”が問われるのだ。浪江町民の「今」は、日本の社会が70年にわたって味わってきたことを凝縮して背負っている状態だ。原発事故から5年、長い期間を経ながらも生活と人生を立て直そうとしている浪江町民の今を、家族を描き続けてきた映画監督の山田洋次さんとともに見つめる。
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