東日本大震災の津波によって流されたガレキ“震災漂流物”。11月、国は衝撃的な漂流予測を発表した。これまでアラスカやカナダなどに漂着し話題を集めたサッカーボールやオートバイ等はまだ序章に過ぎず、12月から本格漂着が始まるというのだ。しかもこれから漂着するのは、倒壊家屋や破損した船など、いわば“ガレキ本体”154万トン。警戒感を強める現地を取材すると、すでに“序章”の段階でもガレキの処理費用の問題、侵略性外来種の脅威など様々な問題に直面していることが明らかになった。さらに、漂着せず“漂い続けるガレキ”が将来、環境や生態系に大きな影響を及ぼす懸念も浮かび上がってきた。自然災害による漂流物について発生国に責任はないが、日本は今回、アメリカやカナダとも協力してこの問題への解決を図ろうとしている。しかし、漂流物の追跡が難しく、被害規模も見えないなか模索が続いている。この問題とどう向き合えばいいのか、考える。
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