平成2年に栃木県で4歳の女の子が殺害された足利事件。無期懲役が確定した菅家利和さんが、DNAの再鑑定で犯人ではない可能性が高いとされ、逮捕から 17年半ぶりに釈放された。捜査段階から裁判に至るまで誤った判断の拠り所となったのが自白と精度の低いDNA鑑定だった。菅家さんが涙を流した取り調べ、矛盾する自供の内容、二転三転する裁判での証言。無実のシグナルがなぜ見過ごされたのか。科学捜査を象徴するDNA鑑定への過信はなかったか。そして、裁判所によるDNA再鑑定の実施が遅れた原因は・・・。またしても、冤罪を防げなかった日本の刑事司法。捜査や裁判のどこに落とし穴があったのか、失われた17年を取り戻し始めた菅家さんへの密着取材と警察官など多数の関係者への取材で検証する。
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