阪神淡路大震災では、犠牲者のおよそ半数を65歳以上の高齢者が占め、障害者の死亡率は健常者を大きく上回った。その後も大規模災害のたびに問題になってきたいわゆる災害弱者。3年前、国はこうした人たちを「災害時要援護者」とし、避難支援のためのガイドラインを示した。要援護者の氏名、住所などをリスト化し、ひとり一人について「誰が」、「どこに」避難させるかなどを明示した避難支援プランを作成するよう市区町村に求めたのだ。しかし、これが遅々として進んでいない。壁となっているのが個人情報保護条例。自治体が持つ高齢者や障害者の情報を防災のために利用し、避難支援プランを作るため自治会などに提供することが条例の禁じる「第3者提供」にあたるというのだ。避難支援プランを担う「助け手」不足も深刻だ。災害弱者対策の課題を伝える。
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