2010年1月23日放送
堀尾 嘉幸札幌医科大学教授
竹内 整一東京大学大学院教授
長寿遺伝子が作るたんぱく質「サーチュイン」。活性化すれば長寿が実現する。多くの生物が持っているが、長寿につながる仕組みは生物ごとに違うことがわかってきた。またサーチュインの活性化には、カロリー制限が有効だと考えられてきたが、その活性を高める物質を探し出す試みも盛んになっている。その一方、サーチュインの活性化で一部のがん細胞では転移を促進する危険性も示唆された。長寿遺伝子研究の最前線を伝える。
長寿遺伝子のメカニズム
哺乳類では、「サーチュイン」が様々な臓器で寿命を延ばす効果を示すことがわかってきた。札幌医科大学が注目したのは、心臓の筋肉、心筋。ハムスターでの実験で、サーチュインを活性化させることで、心筋の老化を抑えられることが示された。サーチュインが活性化すると、心筋を老化させる活性酸素を除去する酵素が増えるという。
長寿遺伝子とカロリー制限!?
好き放題食べさせるよりも、カロリーを制限した方が寿命が延びる。このことは、ヒトに近いアカゲザルの研究でも、最近示されたが、このカロリー制限による長寿に、サーチュインは大きく関わっていることがわかってきた。サーチュイン研究の第一人者、今井眞一郎博士は、エサの量が足りない時期を生き延び、子孫を確実に残すための戦略ではないかと考えている。
長寿遺伝子 活性化する薬は?
サーチュインを効率よく活性化させる物質を探す試みが行われている。まず注目されたのは、赤ワインにも含まれるレスベラトロール。東京大学の研究で、この物質はサーチュインを活性化させ、血管内皮細胞の動脈硬化を防ぐ機能を高めることがわかった。さらに既存の他の薬剤にも同様の効果があることがわかってきた。

