シリーズ ヒトの謎に迫る (5) 言葉はどう生まれたか?
生命科学
2009年2月22日放送
岡ノ谷 一夫理化学研究所脳科学研究センター
佐倉 統東京大学大学院情報学環教授
ヒトの大きな特徴が言葉をしゃべること。言葉の起源については、身振りから生まれた「身振り起源説」と、歌から生まれた「歌起源説」の主に二説がある。歌起源説を唱える研究者は、鳥の鳴き声を分析し、歌起源説の実証に挑む。一方、身振り起源説を唱える研究者らは、右手の身振りから実証しようとしている。その両研究の最前線を紹介。さらに言葉には「親和性と排他性」の二面性がある。現代のネット世界から、その二面性に迫る。
放送内容
はじめに歌ありき
ジュウシマツの求愛の歌は、同じ音の塊をいくつかのフレーズに組み合わせている。歌起源説の研究者は、人間はこの複雑なフレーズが組み合わさった歌を文章と解釈し、その文章を切り分けていったことで単語が生まれたのではないかと考える。
ちょっと待った!霊長類からの反論
一方、人の進化の過程に言語の起源があるという説もある。研究者によると、霊長類の身振りが重要な意味を持つという。ギニアヒヒは右手をあげ、意思疎通をする。右手をあげるということは、言語中枢をつかさどる左脳を使って言葉を操ること。身振りが言葉の起源であるという裏づけの1つになるという。
言葉の持つ二面性
言葉には相反する2つの特性「親和性」と「排他性」がある。ネットの分析からも、その2つが併存する図式が窺える。それは人類が集団で目標を共有しながら生きていくのに有利だった反映と考えられる。