2008年10月18日放送
高柳 雄一高エネルギー加速器研究機構参与
近江谷 克裕北海道大学教授
今年のノーベル賞では、物理学賞で南部陽一郎さん、小林誠さん、益川敏英さんの3人が受賞。成果は最先端の素粒子物理学を支える日本の後輩へ引き継がれている。化学賞で下村脩さんが受賞。発光するクラゲから緑色に光るたんぱく質を取り出した功績が評価された。がん細胞などの識別にも利用され、医薬品開発などに不可欠な道具となっている。今回の受賞に至った研究の内容と、その背景に迫る。
ノーベル物理学賞
地球の誕生に関わるクオークなどの素粒子は、かつて3種あるいは4種類存在すると考えられていた。この考えに異を唱えた小林誠さん、益川敏英さん両氏はクオークは少なくとも6種類存在すべきであることを数学的に証明した。その後次々に新たなクオークが発見され、二人の大胆な理論が裏付けらていったのだ。
日本初!
1949年に日本で初めてノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹さん。湯川さんは、宇宙から降り注ぐ粒子の中から全く新しい素粒子を発見したのだ。これは、戦後間もない日本の明るいニュースとなった。
未知の素粒子を探し出せ
スイス・ジュネーブ郊外にある欧州合同原子核研究機関(CERN)。ここでは物質の質量が何故あるのか、その解明の鍵を握るというヒッグス粒子を探し出す試みが行われている。日本の研究者たちも参加し、世界初のこのプロジェクトに大きな期待が寄せられている。
ノーベル化学賞
ノーベル化学賞を受賞したのは下村脩さん。オワンクラゲから緑色蛍光たんぱく質・GFPを発見した功績が高く評価された。このGFPは、今では生命科学の分野で欠かせないものとなっている。
GFPの応用
GFPの遺伝子を特定のたんぱく質の遺伝子に組み込むと体内で光らせることができる。この仕組みでがん細胞を光らせたり、細胞内の小器官・ゴルジ体を光らせたりと、今まで見えなかった生体内の動きが見えるようになり、医薬品の開発などに役立っている。

