放送内容
めぐみの一歩
ZEROのつぼ
原始的な生き物なのに、変形や合体をして「動物」のように動いたり、「キノコ」のようにもふるまう「粘菌」。いま科学の分野で、この粘菌のさまざまな能力に注目が集まっている。 入口と出口にエサがある迷路に粘菌を置くと、最短距離を結ぶように変形することができる。これは粘菌の中の細胞質が流動するという、実に単純な仕組みで獲得された能力で、この生物的な原理を用いて経路探索に応用しようという研究が行われている。 粘菌の動きを参考にした「粘菌型ロボット」の研究も行われている。単純な動きしかできない小型ロボットを複数組み合わせたものだが、障害物を巧みに避けながら進むことができ、ロボットの半数近くが故障していても、全体として動くことができる。 現代科学に新たな視点を与えてくれる粘菌の能力に迫る。
【出演】
キャスター
安めぐみ
山田賢治アナウンサー
専門家ゲスト
中垣俊之(北海道大学
電子科学研究所准教授)
コメンテーター
佐倉統(東京大学大学院
情報学環教授)
ごく普通に森の中などに生息する粘菌。脳も神経もない粘菌が、最短距離を結ぶように迷路を解くことができるという驚きの能力を持つ。経路探索への応用など、研究者から注目を集めている。
登場!粘菌ロボ
単純な構造で複雑な地形を移動する粘菌の移動メカニズム。単純な小型のロボットを複数集めることで、粘菌のような自在な動きが再現される。
細胞性粘菌
細胞性粘菌の体長は、およそ10マイクロメートル(100分の1ミリ)。最大の特徴は、飢餓状態になると約10万の細胞がひとつに集まり合体することだ。
ピンチ!その時何が?
細胞性粘菌は、飢餓状態になるとある物質の波を作り出し、集まる方向を伝え集結する。波をあわせることで、自分の負担分を減らし、数もコントロールできるということが研究から明らかになってきた。
粘菌
粘菌は、およそ100年前、「知の巨人」として知られる南方熊楠が研究したことで有名だ。変化する粘菌の姿に魅了され、研究を続けていた。文明と自然の葛藤を描いた「風の谷のナウシカ」の中では、粘菌は心を持つ重要な生き物として登場している。