毎週日曜日 前0:00〜0:44(土曜深夜) NHK教育
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放送予定
 病気が治っても痛みだけが残る「慢性痛」がいま大きな問題となっている。アメリカでは2001年から2010年を「痛みの10年」として、 国をあげて痛みに関する大規模な研究を進めている。痛み後進国と言われた日本でも、痛みを科学的に解明しようという試みが行われている。
 たとえば失った手足に痛みが残る「幻肢痛」。この研究を通して慢性痛の不思議なメカニズムと対処法が見えてきた。 幻肢痛は神経や脳に痛みの記憶が刻まれてしまうために起こると言われているが、手足を失う際に強い痛みを感じたままの状態でいたことなどが、 その原因としてあげられる。幻肢痛以外の慢性痛も、痛みを我慢したままでいたことなどが引き金になることもわかってきた。
 また最新の研究により、痛みの感覚は大脳の感覚野だけでなく運動野と呼ばれる部位が密接に関与していて、 慢性痛の治療のために運動野を積極的に刺激することが有効なことがわかってきた。そんな中、運動野を刺激するリハビリ運動や、 さらには脳の運動野に直接、磁気刺激を与えるという治療法も行われ、その効果が出ている。
 また深刻ながんの痛み。従来からモルヒネを使って痛みを軽減させる治療が行われているが、モルヒネに依存性があるため、 その使用をためらう患者も多かった。ところが最新の研究で、痛みを感じると大脳で快楽物質・ドーパミンの分泌が抑制されていることがわかり、 モルヒネによる依存性や中毒症状は起こりにくいことが突き止められた。そのためモルヒネを使って積極的に痛みを抑えようという機運が高まりつつある。
 いままで精神的なものとして捉えられることの多かった「痛み」。その知られざるメカニズムや効果的な対処法についての研究最前線に迫る。


【出演】キャスター安めぐみ
    熊倉悟アナウンサー
     
  専門家ゲスト 花岡一雄
    (JR東京総合病院院長・
    日本ペインクリニック学会代表)
     
  コメンテーター 黒崎政男(東京女子大教授)

体に電流を流し、体の痛みを測る、最新鋭の痛み測定器。痛みは本人しかわからないが、 この装置により客観的な値を出すことが可能となった。
脳との不思議な関係
-慢性痛の原因とは-
失った手足に痛みが残る「幻肢痛」の研究により、慢性痛のメカニズムが見えてきた。 幻肢痛は、手足を失う際に強い痛みを感じたままの状態でいたことなどが、その原因としてあげられる。
脳との不思議な関係
-脳のリハビリで痛み軽減-
大脳の運動野と呼ばれる部分が、痛みの感覚と密接に関与していることがわかってきた。 鏡を使ったリハビリ運動で運動野を活性化したり、直接運動野に磁気刺激を与える治療も行われている。

がんの痛みを抑えろ
がんの痛みの軽減に使われるモルヒネ。使用をためらう患者も多かったが、痛みを感じている場合、 モルヒネによる中毒症状は起こりにくいことが最新の研究によりわかってきた。
 



ホットコールドコイル
温度が40℃と20℃の金属コイルが交互に並んでいる「ホットコールドコイル」という装置。 触れると“痛い”と感じる。手のひらにはいろんな感覚を感じ取る部分があり、 そこで受けた刺激が脳で統合されて痛みのような感覚を感じると考えられる。

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