豪雨半年 冬の農家は

「山形 豪雨から半年

        冬を迎えた農家の苦悩」

 

山形県内に大きな被害をもたらした去年8月の豪雨災害。

置賜地方を中心に多くの田んぼが冠水し、一部は土砂が流れ込みました。

豪雨から半年がたち、町内には暮らしの再建の見通しがたっていないコメ農家もいます。

その要因は、山形県では毎年冬には見ないことがない雪です。

 

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【制度はあるのに…

         進められない復旧】

 

去年8月の豪雨から災害査定が終わるまで、4か月かかりました。

県や市町村が災害の規模を測量したり費用を試算したりしたあと、その結果を国が査定するため時間がかかってしまうのです。

 

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現在の国の制度では、災害査定を待たずに復旧を始めることもできますが、復旧後に国の補助が受けられないとなった場合、県や自治体が大きな負担を負うことになり、そのリスクを回避するためにも、災害査定が終わり、補助が受けられることが確定しなければ復旧工事に踏み出せないのが現状です。

【変わっていく気候に合わせた仕組み作りを】

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室﨑特任教授は、「今までは主に西日本のほうで豪雨災害が起きていたが、最近は東北や北海道の雪国でも豪雨災害が起き、まさに『災害多発時代』となった。災害査定の簡略化が必要だと思う」と指摘していました。

 

取材した農家の方は発災直後は次の作付けのことまで考えられなかったと言っていました。育ててきた田んぼが土砂にまみれれば当然のことですが、まさか翌年度も作付けできなくなるとは想像もしていなかったと思います。

 

災害はいつどこで起きるか分かりませんし、災害が1度起きた場所で、復旧が完了する前に新たな災害に見舞われることも容易に想像できます。

 

今回取材を通して被害を受けた住民の暮らしをいかに早く再建するか、地域性や季節を踏まえ復旧の進め方を考えていくことが求められていると感じました。

 

 



記者特集     

山形局記者 | 投稿時間:14:32