子どもと過ごす休日。
これからの雪の季節は、無料で利用できる屋内の遊び場に連れていくという保護者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、体などに障害のある子どもたちの中には、こうした場所で遊んだことがないという人もたくさんいます。
そこで去年4月。障害のあるなしに関わらず、すべての子どもが遊ぶことができる、いわゆる“インクルーシブ”な遊び場が山形市にオープンしました。
障害のある子どもとその親にとってどんな場所になっているのか、取材しました。
(2022年4月放送)
障害のある本人だけでなく…
遊び場を訪れていた母親と姉妹の3人家族。妹は自力で歩くことができません。この施設にある幅の広い滑り台で家族一緒に楽しんでいました。
話を聞くと、これまで姉と妹が一緒に遊べる機会というのは、なかなかなかったということでした。
こうしたことから、障害のある本人だけでなく、その兄弟・姉妹にとっても必要な施設だと思います。
全国各地から視察
建設した山形市によりますと、「コパル」のような屋内外で遊ぶことができる“インクルーシブ”な遊び場は全国的にも珍しく、オープンしてから自治体や設計関係者など全国から大勢の人が視察に訪れています。
また、去年10月に発表された暮らしや社会を豊かにする、すぐれたデザインを表彰する「グッドデザイン賞」のベスト100にも入賞。9月には、子どもを産み育てやすい社会につながる製品などを表彰する「キッズデザイン賞」も受賞しました。
「コパル」の色部正俊館長は、「7月・8月だけでも国内外から100件以上の視察があるが、受賞をきっかけにさらに増えるのではないかと考えている。多くの方に視察に来ていただくことで、各地にインクルーシブな施設が増えていってほしい」と話していました。
県内外から利用可能に
これだけ注目を集めてきた山形市の遊び場ですが、実は新型コロナウイルスの影響でオープン当初から利用できるのは、山形市内に住む人などに制限されていました。
それが去年10月からようやく山形県内各地、また県外からも利用できるようになったんです。
それまで「いつ制限が解除されるのか」とか「早く利用したい」という声がたくさん届いていたということで、待望の制限解除となりました。
“インクルーシブ”な社会へ
“インクルーシブ”とは障害のあるなしだけでなく、国籍や性別など異なる背景を持つ人が互いに認め合い、共に生きることも意味します。
山形にできた遊び場をきっかけに、いろんな個性・背景をもった子どもたちの“居場所”がこれからも全国各地に増えてほしい。
そして、未来を担う子どもたちが“インクルーシブ”な考え方を持って育ってくれることを強く願います。
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山形局記者 | 投稿時間:14:30