<シリーズ グローバル化の影で> 労働現場からの告発 〜バングラデシュ〜 (再)

2009年7月30日 木曜深夜[金曜午前 0:10〜1:00]
再放送09年11月6日 金曜 午前10:10〜11:00
10年5月13日 木曜深夜[金曜午前 午前0:00〜0:50]



スウェーデンのエリクソン社とノルウェーのテレノール社は、ここ数年、バングラデシュの携帯電話産業で大きな役割を果たしている。その理由は、貧困解決のために活用されているグラミン銀行による“グラミンフォン”の普及。この北欧大手2社はそのグラミンフォンと多くの取引をしているのだ。2社の電波塔などを製造するバングラデシュの3つの工場に北欧の取材班が入り込み、その過酷な労働現場を取材した。
2社はいずれも、全ての労働者の人権と職場の安全を守ることを経営理念に掲げ、グローバル企業としてのイメージアップにつとめている。しかし、バングラデシュ国内の工場では、いずれも、危険な化学薬品を扱ったり、高所で作業をしたりしているにもかかわらず、労働者たちが保護服やマスク、ヘルメットなどの着用をせずに、作業を行っていた。取材班は、隠しカメラで工場内を撮影。また、多くの労働者が住む地元の村を回って工場内でどのような事故が発生しているか、どの程度の賃金をもらっているかなどを聞き取り調査し、その労働実態が、先進国のそれとはかけ離れていることを映し出す。
労働環境の安全性の向上を働きかける地元の産業医は、これをグローバリズムの闇だと語り、先進国は、低価格で利潤をあげようとするあまり、そのツケはアウトソースされた途上国の労働者に回される。先進国の消費者と大企業は、その実態をきちんと受けとめるべきだと指摘する。
取材班がバングラデシュで撮影してきた映像に対し、テレノール社は実態を認識していなかったことを認め、現地に社員を派遣し、労働環境の改善を行うと約束。エリクソン社は、当初、バングラデシュの工場との関係を否定していたものの、現地の状況を確認の上、改善すると回答した。
「企業のグローバル化の問題は、責任の所在が経営者からどんどん離れ、現場の労働環境を管理することはできないことだ」と専門家は言う。経済のグローバル化とともに、企業の社会的責任、行動規範といった概念もグローバル化するときが来ている。

  • 原題:Flip the Coin: A Tower of Promises
  • 制作:Borgen Production & Heinemann Media (ノルウェー/デンマーク 2008年)
NHKオンデマンド
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