<シリーズ 医療の現場>
医療費が払えない
〜アメリカ 4700万の保険なき人々〜 前編 (再)
- 2008年9月23日 火曜深夜[水曜午前 0:10〜1:00]
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09年8月25日 火曜 午前10:10〜11:00
09年9月8日 火曜深夜[水曜午前 0:10〜1:00]




アメリカでは怪我や病気で勤め先を解雇されると同時に、医療保険を失ってしまうケースが少なくない。足の傷が感染症を起こして切断したロス在住のヘクターも、そうしたひとりだ。
義足の完成時期が遅れ、保険の有効期間満了までに間に合わず、仮の義足を自分で修理しながら生活している。まともに歩けないため新しい職には就けず、収入がなければ新しい義足は買えないという悪循環だ。それでも、節約のためモーテルの狭い部屋に移り住み、懸命に就職活動を続ける。
ペンシルベニア州在住のジョーも、15年間勤めたドアマンを解雇されると同時に、医療保険を失った。慢性の肝臓病と糖尿病だが、薬を買えず、決められた通りに服用できないため、病状が悪化。
入退院を繰り返すうち、病院から年間6万ドルの請求を受け取り、妻のデールと途方に暮れてしまう。保険非加入者には、保険加入者の約2.5倍の高額な請求が来るのが、アメリカでは一般的だという。
テキサス州在住のカレンのケースはもっと悲惨だ。失業後、度重なる腹痛に見舞われるが、保険がないために診療を断られ続ける。一年後、ようやく診てくれる医師を見つけたが、病名は卵巣ガンで、しかもかなり進行していると宣告される。
ロスにあるフランス料理店でシェフを勤めるカルロスは、15年間にわたって、脊椎の変形にともなう激痛に苦しめられてきた。保険がないため、アメリカで高額な治療を受けることはかなわず、現実的な方法は、国境を越え、医療費の安いメキシコに行くことだ。しかし仕事が忙しく、長期休暇が取れないでいる。彼のように、メキシコで治療を受けることを希望する人は、カリフォルニア州全体で30万人を超えるといわれている。
- 原題:Critical Condition
- 制作:Public Policy Productions / WNET (アメリカ 2008年)
マイケル・ムーアのヒット映画「シッコ」は、民間の保険会社に加入している人たちの喜悲劇を描いたものですが、この作品では、さらに社会の底辺にいる保険の非加入者たちの実情が描かれています。こうした人たちが、たった一握りではなく、4700万人もいるということに驚かされるとともに、破綻寸前といわれる日本の公的医療保険の行く末にも、考えを馳せざるをえません。