1990年、米議会で、エアコンを切った状態で行なわれた公聴会で、NASAの研究員が「地球は温暖化に向かっている」と発言。政府もこの証言を重要視したが、翌年の湾岸戦争勃発により、関心は中東問題へと移ってしまった。クリントン政権は、CO2をより多く排出すると税金が高くなる新税金システムを提案したが、出身母体の民主党が反発。自動車組合という重要な票田を失い、次の選挙を乗り切れないと考えたためだ。
クリントン時代、産業界は政府の動きに警戒を強め、「二酸化炭素の排出は地球にとって良い」ことを証明する科学者の研究に対し大規模献金を行った。産業界は、これらの科学者を動員し、「温暖化はウソ!」というCMまで制作。反温暖化キャンペーンを行った結果、アメリカの世論は温暖化への関心を失っていく。ブッシュ政権に入り、チェイニー元副大統領は、「エネルギー(石油、石炭、ガス)の確保こそがアメリカの安全保障の根幹」とする政策を打ち出すと、CO2の削減は国益に反するとして、完全に政策から切り離される。
ボストンの公共放送WGBHが、これまで米政権は経済活動を優先するあまり、温暖化対策に消極的にならざるを得なかったという背景を検証。ブッシュ父の時代から、クリントン、現ブッシュ政権へと引き継がれる中で、京都議定書がなしくずしとなっていった経緯が見えてくる調査報道番組。
原題: Hot Politics
制作:
WGBH(アメリカ)
2007年