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2018年126日放送 午後1000分~NHK-FM

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番外編『じゃあねしか言えない』

原案:土生瑞穂、小池美波、石森虹花

脚本:北阪昌人

出演

土生瑞穂、小池美波、石森虹花、山寺宏一

あらすじ

ここは欅坂高校の体育館。バスケ部の部活を終え、ボールを片付けている二人の男子生徒。一年生ながらレギュラーに抜てきされている、すらっと背の高い土生瑞男(はぶ・みずお)と華麗にドリブルをする石森虹太郎(いしもり・にじたろう)。石森は、一目ぼれした転校生の小池美波と二人で会うセッティングを土生に頼む。しかし、土生もまた小池美波に恋をしていた。果たして、この恋の三角関係の行方は…!?

人物相関図

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ナレーション:ここは、東京・欅坂にある、欅坂高校。体育館には、バスケ部の部活を終え、ボールを片づけている二人の男子生徒がいました。一年生ながら、レギュラーに抜擢されている、すらっと背が高い、土生瑞男(はぶ・みずお)と、まるでマリンバを演奏するように華麗にドリブルをする石森虹太郎(いしもり・にじたろう)。


石森:なあ、土生、

土生:なんだよ、石森、

石森:おまえに、頼み、あんだけど。

土生:金ならねえぜ。練習きつくて、バイトできねぇんだ。

石森:金じゃねえよ。

土生:じゃあ、なんだよ。

石森:おまえのクラスにさあ、小池っているじゃん。

土生:小池って、小池、美波か?

石森:ああ、関西から転校してきた。

土生:って、ちゃんとボール片づけろよ。

石森:ああ、悪りぃ、悪りぃ。

土生:で、小池がどうかしたか?

石森:ぶっちゃけ、俺、好きになっちゃった、みたいなんだよ。

土生:ええ?

石森:なあ、きっかけ、つくってくんないかな? なあ、頼むよ。もし、二人で会うのをセッティングしてくれたらさ、俺が持ってる『進撃の巨人』のDVD、全部、お前にやるよ。

土生:全部?

石森:ああ、全部。

土生:『進撃の巨人』っていう漫画は、めっちゃ好きだから、心が動いたけど・・・でも、ひとつ問題があった。それは・・・。

小池:ああ、土生くん! 今、部活終わったの?

土生:お、おう。

土生:自転車置き場で、小池に会った。

小池:土生くん、すごいね。レギュラーなんだって?

土生:いや、まだわかんねえよ。

小池:今度、練習観にいってもいい?

土生:う~ん。いいよ、来なくてっていうか、小池は、美術部だっけ?

小池:そう、水彩画。

土生:そっか。あ、じゃあ、オレ、こっちだから。

小池:じゃあ。また、明日。

土生:ひとつ問題があるっていうのは・・・オレ土生瑞男も、小池美波を、好きだってこと・・・。

石森:土生、

土生:なんだよ、石森、

石森:さっそく、呼んでくれたんだな?

土生:え?

石森:この練習試合を、見てるぜ、

土生:ん?

石森:我が、憧れの、小池、美波さん!

土生:え?

石森:いただき!

土生:あ、って、おい!

土生:石森、てめえ、きたねえぞ!

土生:体育館のはじっこに、小池の姿があった。白い肌、大きな瞳・・・ちくしょう、めっちゃ、可愛いじゃねえかっ!

小池:土生く~ん! がんばって!!

土生:って、声、出すなよ、小池!

土生:ああああ!

先輩:おい土生、なにやってんだよ、しっかりしろ!

石森:おいおい、どうした、土生選手、今日はミス連発ですなあ! あはははは。

土生:なんだ、オレ、めっちゃ動揺してる・・・。

小池:土生く~ん!

土生:練習試合が終わり、ひとりボールを片づけていると・・・。

先輩:おい、土生、なんだよ、今日の試合はよう、

土生:うっす! 先輩、すみません。

先輩:あんなんじゃ、レギュラー、ダメかもよ。

土生:うっす!

先輩:気合い、足んねぇんじゃね? 女子にキャアキャア言われて、いい気になってんじゃねえぞ!

土生:うっす! すみません!

先輩:ボール、磨いとけよ!

土生:うっす!

土生:去っていく先輩と入れ違いに現れたのは・・・。

小池:土生くん、

土生:小池・・・。

小池:ごめんね、

土生:なにが?

小池:私が大きな声出したから、怒られたんだよね、先輩に。

土生:関係ねえよ、ただオレが下手なだけだし。

石森:おお、悪りぃ悪りぃ、土生、ちょっと先生に呼ばれててさあって、あ、小池、さん。・・・土生、早くもしてくれたんだな、セッティング。どうも、一年C組の、石森虹太郎っす。

小池:どうも。

石森:土生を応援してたみたいだけど、やめたほうがいいよ。今度からは、この石森を、よろしく!

土生:石森、

石森:ん?

土生:ちょっと、オレ、便所、行ってくっから。

石森:おお、そうですかそうですか、いっトイレ、なんつって。

土生:オレは・・・バカだ。なんでわざわざ二人きりにしてんだよ。意味、わかんね。

土生:しばらくして、体育館に戻ると・・・。

石森:(泣いてる)

土生:い、石森、どした?

石森:瞬殺だぜ、

土生:え?

石森:わずか、一秒で、フラれた。

土生:ええ?

石森:小池ってさ、なんか好きな男子、いるんだってさ。

土生:ええ? そ、そうなんだ。

石森:ああ、でもなあ、引きずらないのが俺のいいところ。また別の子、見つけるよ。

土生:そっか・・・。

石森:誰なんだろうな、あんな可愛い小池ちゃんのハートを射止めた、幸せ野郎はよう!

土生:ああ、誰、なんだろうな。

土生:ボールを片づけ、帰ろうと、自転車置き場に行くと、

小池:ああ、土生くん。

土生:こ、小池。

小池:私もね、ちょっと仕上げたい絵があって、遅くなった。

土生:そっか。

小池:・・・さっきね、

土生:あ、じゃあな。

小池:え?

土生:じゃあ、また明日。

小池:明日は、休みだよ。

土生:そっか。じゃあ、また来週。

土生:オレは・・・バカだ。オオバカだ。結局、じゃあねしか言えない。

小池:土生く~ん!!

土生:自転車をこいでると、後ろから声がした。振り向くと、

小池:待って、土生く~ん!

土生:っていうか、声でけえし。

小池:ご、ごめん。

土生:なに?

小池:たまにはさ、

土生:ん?

小池:一緒に、帰ろ。

土生:え?

小池:一緒に、帰ろ。いや?

土生:・・・別に・・・嫌じゃねえけど。

土生:坂道を、二人で自転車を押しながら、のぼった。夕闇が、あたりを暗く染めていったけれど、なぜか、オレたちのまわりだけ、ふわっと灯りがともったような、気がした。

小池:土生くんってさ、そっかっていうの、口癖、だよね。

土生:ちくしょう! 可愛いぞ、小池美波、めっちゃ、可愛くて、大好きだぞ。

小池:土生くんってさ、好きなひと、いるの?

収録後のワンショット

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