
今回は、和歌浦湾からしらすの話題です。秋のしらす漁がシーズンを迎え、地元では和歌浦産のしらすをもっとたくさんの人に食べてもらおうと、さまざまなくふうが行われています。
![]()

水揚げされたばかりのしらすです。
日本の食卓になじみ深いしらすですが、生のしらすを見たのはこの日が初めてでした!透き通ってキラキラしているのですね。取れたてをそのままいただきましたが、つるんとした歯応えに、海水の塩味が利いていて、とってもおいしかったです。
生しらすは時間がたつと苦みが出るそうで、おいしく食べられるのは、水揚げ後2~3時間。漁港限定、幻の味です!

こちらは、皆さんご存じの釜あげしらす。取れたてのしらすを湯がいたものです。
見てください、この白さ!和歌浦湾で取れるしらすは昔から、特に色が白くて美しいと評判なんです。
地元では、お乳のように白いことから「乳しらす」とも呼ばれているそうです。
和歌浦の海の恵みを受けて育った真っ白なしらす。地元では「わかしらす」という名前をつけて売り出しています。
和歌(わか)浦の若(わか)さあふれるしらすという意味が込められているそうです。

この「わかしらす」を町おこしに使おうと、新しい取り組みも行われています。
向かった先は、なんとパン屋さんです!
もっとたくさんの人に「わかしらす」を食べてもらいたいと、和歌浦の旅館で和食の料理長を務める松木さんが、パン屋さんに話を持ちかけたのです。

試行錯誤の末、たどりついたのが、釜あげしらすの揚げパンです。
しらすの触感と、揚げパンの風味。バルサミコ酢を使った甘酸っぱいソースがかかっています。

松木さんに、なぜしらすとパンを結びつけようと思ったのか伺ったところ、
「パンだと持ち運びが楽で、子どもでも食べやすい。納得のいく作品に仕上げて、将来和歌浦にある各旅館でも販売できたら」とのこと。
地元の漁師、旅館の料理長、そしてパン屋さん。皆さんが「わかしらす」をたくさんの人に食べてもらおうと頑張っている和歌浦は勢いのある元気な町でした。
和歌浦湾に純白のしらすあり!皆さん、和歌山市にお越しの際は、ぜひ食べてみてください。
![]()
山に囲まれたのどかな有田川町二川(ふたがわ)地区。全学年23人の城山西小学校の子どもたちは、200年続く地元の伝統芸能・二川歌舞伎の練習に励んでいました。
![]()
城山西小学校では、21年前から子どもたちに、授業の一環として二川歌舞伎を教えています。二川歌舞伎は、大人たちによって演じられていますが、後継者不足で悩んでいた地元の二川歌舞伎保存会の人たちと、子どもたちに1つの目標を達成した喜びを体験してほしいという学校側の思いが重なり、子どもたちに歌舞伎を教えることになったそうです。

子どもたちは、10月に行われる子ども歌舞伎の発表会に向けて、年明けから10か月間練習に取り組んできました。週1回の総合学習の授業だけでなく、発表会が近づくと夜間にも公民館で練習をしてきました。

歌舞伎の衣装の着付けや化粧は、保存会の人と保護者の皆さんが担当します。
初めての着物の着付けに戸惑う保護者もいて、苦労していました。

これが、歌舞伎独特の化粧!「隈(くま)取り」といいます。
想像していたものより色鮮やかで見とれてしまいました。
あどけない表情を見せていた子どもたちも、歌舞伎の化粧で大変身!

舞台に上がると、もう歌舞伎役者そのものです!
役者だけでなく、唄方(うたかた)も全部子どもたちだけで行います。


「地域と学校、保護者が協力して応援してきたから、子ども歌舞伎を21年間続けられた」と、保存会の会長さんは言っていました。皆さんの二川歌舞伎への思いを知り、伝統文化は人から人へと受け継がれるだけでなく、人と人をつなぐのだと感じました。
小学生のときから伝統芸能に携われるなんて、ほんとうにうらやましい! ふるさとの伝統芸能について深く知り、それを演じられるというのは、大人になっても大きな財産になると思います。
これからも「二川子ども歌舞伎」の伝統が城山西小学校で続いていきますように。
![]()
今回は、盆栽の話題です。
![]()

この盆栽、よ~く目を凝らして見てください。
みごとな梅の盆栽。曲線を描く幹に、かれんに咲く花。
なんと、本物そっくりの人工盆栽!
植物以外の材料でできているようには見えません。

今回は、紀の川市で人工盆栽を創作している櫻井榮子(さくらい・ながこ)さんを訪ねました。
本物の質感を表現するのに決め手となるのが素材選びです。
櫻井さんは「素材を適材適所に使うことが一番大事」と話します。

例えば、この松の人工盆栽。うろこ状の木肌を表現するのに、粘土を使用しています。
一方、杉やシンパク(ヒノキ科)など、縦に筋の入った幹の木肌を表現するのに使うのは和紙。
表現するものによって素材も変わるのですね。
子どものころからあらゆる手芸に親しんできた櫻井さん。その経験が人工盆栽作りにいかされているようです。

ここで、わたしも人工盆栽作りを体験させていただきました。
印象的だったのが、本物らしさを演出するのに「線香」を使用することです。
葉っぱが燃えちゃう!とドキドキしましたが「虫食い」を表現するには、線香が最適なのだそうです。

金岡作「柿の人工盆栽」いかがでしょうか。
実は大部分を櫻井さんに手伝ってもらったのですが、虫食いの葉っぱ、雰囲気出ていますよね。
幹はワイヤーでできているので、自在に形をアレンジすることができます。
美しい形にするコツは、縦・横・高さのすべてを意識して、枝ぶりに立体感を出すこと。
なかなか難しく、お手伝いいただいて、ようやく完成しました。
「盆栽は、小さな空間に大自然を表現するところが奥深く、どんなに作品を作っても飽きることがない」と話す櫻井さんの笑顔がすてきでした。
今後の創作活動も楽しみですね!
![]()