担当:横山

2014  9  30  (火) 放送

“運動会の歌”に込められた思い

 
横山

今回は、戦後、和歌山県内の多くの学校で歌われた「運動会の歌」を再び歌おうと、古座川町の小学校で復活に向けた取り組みを通じ、歌に込められた思いを取材しました。

「♪緑の風に ♪朝を呼ぶ ♪あおぐ青空 ♪心はおどる ♪ああ夢わく日」

運動会の歌を歌う児童
運動会の歌

古座川町立明神小学校の児童たちが歌っているのが、“運動会の歌”です。

かつては、県内の多くの地域で歌われていましたが、今では歌っている学校は少なくなりました。

花とひらく運動会

きっかけは町内の校歌を集めたCDに収めたこの曲が好評だったからです。

和田充旦さん

「聞かれた方から校歌も良かったが、“運動会の歌”も懐かしかったですよというお声をたくさん聞きました。そんなこともありまして、ぜひ復活させたいと…」

本当にそんなに知られているのでしょうかと、和歌山市内で聞いてみると…

横山 :  「♪緑の風に」
若いお父さん
若いお父さん :  「♪朝を呼ぶ ♪あおぐ青空 ♪心はおどる」
二人組の女性
二人組の女性 :  「♪あーあー夢わく日 ♪楽しく集い」
横山 :  「この歌は和歌山県内でしか歌われてないんですよ。」
二人組の女性 :  「えーっ、ぜんぜん知らなかったです。」
横山 :  「全国で歌われていると思っていました?」
二人組の女性 :  「“運動会の歌”ってあるから、そうだと思っていました。」

この歌は、昭和31年に和歌山市の教育委員会によって作られたのです。

古座川町で働くみなさん
古座川町教育委員会の職員 :  「♪あおぐ青空」
和歌山県庁で働くみなさん
県教育委員会の職員 :  「♪心はおどる」
和歌山県庁で働くみなさん
県教育委員会の職員 :  「♪背負うのだ」
馬場一博さん

和歌山県教育史の編さんに携わった馬場さんに、“運動会の歌”ができたころの経緯を聞きました。

馬場一博さん :  「運動会の歌が制作された昭和31年っていうのは、和歌山県にとって、その3年前に起こった昭和28年7月18日の水害から復興が進みつつあった時期で、やはり子供たちに元気や明るさを届けたい。そういう意味で非常に優れた歌だったので、徐々に県内に広がっていったんだと思います。」
運動会の歌

運動会の歌は、歌詞も曲も和歌山市民からの公募で作られました。

作詞をしたのは和歌山市内のお寺の住職だった伊藤孝文さん

作詞は、和歌山市内のお寺の住職だった伊藤孝文さん。娘の河合江利子さんが出迎えてくれました。

河合江利子さん :  「父です。」
横山 :  「お父様ですか。」

4年前に亡くなった作詞者の伊藤さんが「運動会の歌」の歌詞を応募した時、国語の教師をしていたと言います。

河合江利子さん
河合江利子さん :  「教師でしたので、戦前・戦後と大きく教育自体が変わっていった中で多分、子供たちに明るい未来を託したいみたいな、そんな思いがあったんじゃないですかね。」
秦野和夫さん
横山 :  「こんにちは。」

作曲者は、和歌山市内に住んでいらっしゃいました。秦野和夫さんです。

当時、中学校で音楽教師をしていた秦野さん。

伊藤さんの詩に曲をつけようと応募した24人の中から選ばれました。

みんなの歌

完成した歌は和歌山県音楽教育連盟が、冊子にして各地に配ったのです。

秦野和夫さん
秦野和夫さん :  「昭和30年代はね、運動会が近づくと小学校のそばを通ったら、この歌がちょいちょい聞こえてくる。練習するのにね、よく聞く。うれしかったな、このときは。」

秦野さんに“運動会の歌”を練習している児童たちの様子を見ていただきました。

横山 :  「♪緑の風に」
児童の歌 :  「♪朝を呼ぶ ♪あおぐ青空」
児童たちの様子
秦野和夫さん :  「古座川の明神小学校にいっぺん行きたいな。ええの聞かせてもらったからね。」
明神小学校
運動会のアナウンス :  「懐かしい運動会の歌です。ぜひ、みなさん一緒に歌ってください。」

いよいよ運動会当日。小・中学校と地域の人たちとの合同の運動会です。まず、最初にこの歌が歌われました。

児童の歌 :  「♪緑の風に ♪朝を呼ぶ ♪あおぐ青空 ♪心はおどる ♪ああ」
女子児童
女子児童 :  「お父さんの頃はずっと歌っていたんだよっていって、でも途中で間違えた(笑)。途中で教えあったりして、最後まで歌った。2番も。」
一般母親
一般母親 :  「子供たちに聞かれました。お母さん知っている?って。運動会の歌知っているの?って。昔歌ったから知っているよって、教えました、家で。」

運動会の歌は、世代を超えてこれからも歌い継がれていきそうです。

秦野さんは明神小学校の運動会にはいけなかったのですが、子供も地域の人も元気に歌っていたとお伝えすると喜んでいらっしゃいました。

運動会の歌が収録されているCDのお問い合わせ

古座川町教育委員会

0735-72-3344

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担当:草野

2014  9  16  (火) 放送

高校生が地域を守る

 
草野

今回は上富田町の話題です。先日は敬老の日でしたが、今月21日までは「老人週間」です。

高校生が、災害時に高齢者世帯を支援しようとある取り組みを行っています。

KUMANOサポーターズリーダー部

放課後の部活動で、元気な踊りを見せるのは「熊野高校」50人の生徒たち。

しかし、彼らはダンス部ではありません。地域の催しなどで披露するために練習しています。

地元の高齢者施設などでボランティア活動を行う地域の応援団、「KUMANOサポーターズリーダー部」です。

和歌山県立熊野高校

熊野高校は全校生徒720人。92年の歴史を持ちます。

学校では、挨拶が「防災の基本」と特に力を入れています。

1000人以上参加した地域の防災訓練では、KUMANOサポーターズリーダー部の生徒たちがグループに分かれ、住民を避難場所となる学校まで誘導しました。

避難場所となる学校まで誘導

校長先生は「KUMANOサポーターズリーダー部の生徒たちが一生懸命防災訓練の時には誘導するなど、防災に対しての意識は非常に高いですね」と話していました。

校長先生

熊野高校のある上富田町は、南海トラフの巨大地震のほか、河川の氾濫による水害も懸念されています。

紀伊半島豪雨でも大きな被害がありました。

KUMANOサポーターズリーダー部に所属する2年生の生徒たちは、

KUMANOサポーターズリーダー部に所属する2年生の生徒たち

地域の高齢者世帯を訪ねて回る「ハートフルチェック」という活動を行っています。

ハートフルチェック

これは、災害時に支援ができるよう日頃から高齢者世帯とのつながりを深めようと、週に1回社会福祉協議会の車で、担当者と65歳以上の高齢者世帯を訪ねて回るなど社会福祉協議会とも連携しています。

この帽子も「ハートフルチェック」専用につくりました。

ハートフルチェック専用の帽子

2年生の男子生徒は「お年寄りの人が元気になってもらえるように話ができたらと思います」と話していました。

2年生の男子生徒

買い物など日常生活での不便がないか、災害への備えがどうなっているかなどを聞いていきます。

まずは何気ない身近な質問から徐々にうちとけていきます。

ハートフルチェックの様子

最後に握手をしてお別れです。

ハートフルチェックの様子

高校生のハートフルチェックを受けた男性は「本当に自分の孫と話しているような感じがしました」と話していました。

普段からお互いの顔が分かる関係をつくることで災害時に備えようというのがねらいです。

ハートフルチェックの様子

ハートフルチェックを受けた女性は「若い人に来て頂き大変嬉しいです。

高校生と会話することで避難場所を思い出しました」と話していました。

2年生の女子生徒は、「避難するところが遠く、坂もある高いところで暮らしている年寄り夫婦なので大変だ、と言っていました。大災害にあったら、私たちが率先して地域の人たちに手助けができるように頑張っていきたいです」と話していました。

2年生の女子生徒

顧問の先生は「大災害が起こった時、あそこのおばあちゃん大丈夫かな、家がつぶれていたら大声で助けを呼ぼうとか、生徒たちにはそういう積極的な姿勢を出してほしいと思います」と話していました。

顧問の先生

生徒たちは、今後も毎週交代しながらこの活動を続けていきたいと話しています。

KUMANOサポーターズリーダー

この取り組みは今年2月から半年以上経ち、参加した生徒が地域で高齢者と会ったとき、以前よりも気軽に声をかけられるようになったということです。

さらに、災害時の危険個所を記したハザードマップをもとに、高齢者と一緒に危険な場所や避難所の確認作業にも取り組んでいきたいということです。

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担当:横山

2014  9  9  (火) 放送

世界一の空飛ぶ主婦

 
横山

今回は、今年7月、フランスのアヌシーで行われたハンググライダーの女子世界選手権で、個人と団体の部で優勝した紀の川市の主婦・礒本容子さんについてお伝えします。

スカイスポーツが盛んな紀の川市。

小高い山のふもとに河川敷が広がり、適度な上昇気流に恵まれます。

礒本容子さん

地元に住む主婦・礒本容子さんです。

礒本容子さん

ハンググライダーは、エンジンのない専用の機体にうつぶせに乗って自然の力で空を飛びます。

礒本容子さん
礒本容子さん :  鳥のように飛べる。非日常ですよね。上から物を見て自然を感じ、日常にはない感覚が味わえて、やっぱり自然と遊べるっていうところと動力のないところが楽しいところです。
アクション

礒本さんは今年7月、女子の世界選手権で初めて優勝。

これまで5年連続女子日本一でしたが、今年初めての世界選手権で優勝しました。

個人・団体共に、日本人では男女を通じて初めての快挙です。

世界選手権のコースは全長およそ90キロ。

一回のフライトで決められたポイントをいかに早く回るかを競います。

「うまくなりたい」。

そんな思いから、ほぼ毎日飛んでいるといいます。

礒本容子さん
礒本容子さん :  これをステップにもっと力をつけたいと思いましたね。うれしさもありますけれど、それよりもさらに次に進みたいっていう気持ちがますます強くなった大会です。

21歳のとき、大阪でハンググライダーを始めた礒本さん。

その後、出産を機に飛ぶことから離れ子育てに専念していましたが、娘が小学生になるとき親子でスカイスポーツのイベントに参加。

飛ぶことの楽しさを再び思い出しました。

8年前、ハンググライダーの練習には絶好の環境が整った紀の川市に、思い切って引っ越してきたのです。

礒本圭一郎さん
礒本容子さん
礒本圭一郎さん :  飛んで帰ってきた日と飛べなかった日と全然ちゃうもんな、テンションがな。
礒本容子さん :  飛べた日のビールは最高や。
礒本圭一郎さん
礒本圭一郎さん :  最初は「えぇ?」と思ったんですけど、それでも何回かは来たことがあったので、環境も良いところだなと思った。それに関してはすぐ賛成ということで決心しました。

トレーニングを体験させてもらうため、礒本さんが通うスクールに案内していただきました。

天井からつるされた本物と同じバーを使って、空の上でのカジの取り方を教えていただきました。

カジの取り方を教えていただきました
外村さん :  これを押し出して、ひねって押し出す。

宙に浮いていると、なかなか思うような方角には向いてくれません。

なかなか思うような方角には向いてくれません

右に旋回するには重心を右に移動して、最後に重心を元に戻します。

礒本容子さん
横山 :  自由に飛べたら面白そうですね。
礒本容子さん :  自分でコントロールして飛ぶのは面白いですね。
ハンググライダー

練習の日は、ハンググライダーをおよそ30分かけて一人で組み立てます。

翼の全長は10m、重さは32キロ。

競技用はレジャー用より10キロくらい重くなります。

この日はフライトには難しい天候

この日はフライトには難しい天候でしたが、一瞬の風の流れを読んで飛び立ちました。

条件がそろえば高度3000m近くまで上昇すると言います。

1回のフライトで3~4時間飛ぶこともあるそうです。

フライト
礒本容子さん :  手を広げたらこの先の感じが翼にそのままっていう感じですよね。前に行こうとするのもわかりますし、私の感覚ではそういう感覚を持っていますね。

礒本さんの「強さの秘密」をコーチの外村(とのむら)さんがこう語ります。

外村仁克さん
外村さん :  上昇するのがうまい。高く上がれば上がるほどどこへでも行ける。練習でわかってきたんやろうなと思うけど…

礒本さんは、理解ある家族によって支えられているといいます。

礒本圭一郎さん
礒本圭一郎さん :  一つの趣味を長く持っているっていうのはすごく…一種の憧れはありますね。ほれなおしました。

目標は男女総合で競われる世界選手権への出場です。

礒本容子さん
礒本容子さん :  男性に混じって自分がどこまでやっていけるのか、すごく自分でも興味のあるところですし、男性の中でもなんとかやっていきたいと思っています。

次の世界選手権が開かれるのは、来年です。

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担当:宮崎

2014  9  2  (火) 放送

めざせ!防災リーダー!!

 
宮崎

紀の川が流れる県北部の山間の町、かつらぎ町。

この町の高校で、先輩から後輩へ防災について考えるための講座が開かれました。

高校生の意識はどう変わっていったのでしょうか。

訪ねたのは和歌山県立笠田高校です。

和歌山県立笠田高校

開かれたのは高校生防災スクール。

高校生防災スクール

県内の各公立高校で、防災の日に合わせて行われるこのプログラムは10年前から。

来る巨大地震を見据え防災力を高める狙いで行われています。

この学校では去年から、3年生が「防災リーダー」となって2年生に教えています。

高校生防災スクールの様子

「地震に限らず今雨など自然災害が多く、避難生活をおくると考えたとき、じゃあ今から自分に何ができるか考えてほしい。」

そう話すのは、卒業生の平阪亮多さんです。

平阪亮多さん

この日はケガ人の搬送方法や簡易トイレ、パーテーションの組み立て方を体験しました。

災害はいつどこで起こるかわかりません。しかも、この町には災害の歴史があります。

それは昭和28年の紀州大水害。

県内で死者・行方不明者1000人を超える犠牲がでました。

中でも花園地区では、村が水没するという甚大な被害を受けたのです。

昭和28年の紀州大水害

いざという時に備え、若い世代にも災害時の対応力が必要なのです。

高校生防災スクールの様子

防災リーダーは有志で集まった29人です。

まず地元の消防士から、人を運ぶための手の組み方を学びました。

防災リーダー

「自分にできる防災ってなんだろう」3年生は教える立場になって初めて考えます。

防災リーダーの1人、平松愛美さんです。

あまり関心がない後輩の意識を変えていきたいと一生懸命教えるのですが、なかなかうまくいきません。

平松愛美さん

しかし、次第に後輩たちにも興味がわいてきたのか、積極的に動くようになってきました。

平松愛美さん

避難所を想定した体育館内での、実際に区切るパーテーション作りでは真剣な表情。

先輩の平阪さんも、積極的に「なぜ、これが大事なのか」を訴えます。

高校生防災スクールの様子

4時間にわたる講座で、それぞれの立場で防災に対する意識に変化が表れてきました。

高校生防災スクールの様子

これからも先輩から後輩へ、「自分にできる防災」の大切さを伝えていきます。

高校生防災スクールの様子
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