
2017 年 5 月 30 日 (火) 放送
演劇をもっと身近に

和歌山市に今年、結成10周年を迎えた劇団があります。
率いるのは和歌山市出身の劇作家。
記念公演を前に、より多くの人に演劇を楽しんでもらおうと稽古に励む様子を取材しました。
今年でちょうど結成10周年を迎える劇団「Fling Fish Sausage Club」
毎回、地方都市で暮らす人々の日常をテーマにした作品を上演しています。
今回のテーマは「服」。
服を着ることの意味を考える高校生が主人公です。

この劇団を率いているのは、和歌山市出身の劇作家、松永恭昭さんです。
戦前、甲子園で活躍したピッチャーの生涯を描いた作品をはじめ、数々の脚本を手がけ、全国的な脚本コンテストで入賞したこともあります。
この劇団をつくったきっかけは、ふるさと和歌山を拠点に演劇活動をしたいという思いでした。

今回の出演者は和歌山大学の学生や卒業生など5人、もともと全員松永さんの作品のファンでした。
役者の一人、藤乃るいさんは「いつか、松永さんの台本で出てみたいと思っていたのでうれしいです。張り切ってます。」と話していました。
松永さんは、台詞回しについてのアドバイス、さらに一人一人と話し合いそれぞれの演技の幅を広げていきます。

一方、予算の限られた地方劇団ゆえ、照明や音響、裏方の作業なども松永さん自ら担当します。
そんな松永さんに地元の人も協力しています。
和歌山市出身の舞台美術家・ステファニーさんは、セットの製作を手伝ったり、安く借りられる劇場を準備したりしています。
ステファニーさんは、「松永君が20代で立ち上げた劇団。東京や大阪で見て楽しいなって思っていたものが和歌山でも見られる。長続きできるように私たちも応援して行きたい。」といいます。

松永さんはこれからの劇団について
「和歌山の劇団じゃなくて日本の劇団になっていきましょうよ。ゆくゆくは世界にいけたらいいね。」
と夢を語ってくれました。
和歌山に演劇を楽しめる場所を作り、将来はもっと大きなステージへ。
最高の作品を作るための奮闘が続きます。

次回の公演「服を決められない乙女とオシャレ女王」は
今週末の6月3日(土)と4日(日)の午後7時半から
和歌山市の劇場「ゲキノバきたまち」で行われます。
私もお芝居を見るのが好きなので、和歌山の演劇がもっともっと広まるのが楽しみです。